2014年の共同声明
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「英中共同声明」の記事における「2014年の共同声明」の解説
2014年6月16日、李克強国務院総理はイギリスを訪問し、2300億香港ドルに上る経済協定を締結するとともに、イギリスに英中共同声明の成果に関する声明への署名を要求した。多くの専門家は両国が英中共同声明の署名からちょうど30年後にあたる2014年に声明を発表し、一国二制度の香港における実施をより良くするための議論を行うことを予想した。香港基本法の起草委員会の委員だった法律家の李柱銘は中国が経済協定の締結と同時に声明を要求したことは、それを餌にイギリスに一国二制度の方針がうまくいっていることに同意させ、諸外国による香港の状況の批判を封じるためであると評した。結局、中国とイギリスは2014年6月17日に共同声明を発表した。声明によると、一国二制度と香港基本法に従って香港の繁栄と安定を守ることは両国の利益に符合するという。 2014年7月、イギリス議会の庶民院は中国の反対を押し切って、「英中共同声明と香港基本法の実施の状況を調査する」と発表した。調査では英中共同声明と香港返還が住民投票を経ていないことがその失敗を招き、制度の民主化改革もままならない結果となった、とする証言が出てきた。 イギリスの議会の外交事務委員会による調査団は2014年12月に香港に訪問する予定だったが、2014年香港反政府デモの勃発により、調査団の出発に先立って北京政府が調査団の入国は拒絶されることを通告した。庶民院は12月2日に緊急弁論を行い、発言した議員のほぼ全員が中国に怒りをあらわにした。外交事務委員会のリチャード・オッタウェイ(英語版)委員長は、議員たちが香港に訪れるのは英中共同声明の実施の状況について考察するためであるとした一方、中国の駐英大使の副官倪堅(中国語版)から得た印象は「英中共同声明はすでに失効した」というものだった。オッタウェイは、中国政府は声明で定められた政策は50年間不変であると約束したが、この約束は破られた、と述べた。
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