2010年代以降の根絶国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:32 UTC 版)
「急性灰白髄炎」の記事における「2010年代以降の根絶国」の解説
なお、長年にわたって常在国リストだった国家に、インドとナイジェリアがある。 インド 2010年には42症例の報告があったが、2011年は1症例が報告されたのみであった。ウッタル・プラデーシュ州とビハール州が流行の中心であるが、mOPV1(1型単価ポリオ生ワクチン)の集中使用により2008年は3型ポリオが主に流行している。そのため、mOPV1に加えてmOPV3(3型単価ポリオ生ワクチン)を使用し流行の阻止を図った。2010年からは、1型、3型の2価ポリオワクチンbOPVが用いられている。2012年2月、1年間新たな患者の発生が無いことが確認されたことから、WHOは、インドを常在国リストから外した。その後、2014年3月27日には根絶が宣言された。 ナイジェリア 2003年に、当時ポリオが根絶されているとされていたナイジェリア北部において、ポリオワクチンはイスラム教の信仰に対抗するためのアメリカ合衆国及び国際連合の陰謀であり、真の信仰者たちを去勢するように作られているというファトワが宣言された。その後、ナイジェリアでポリオが再発生し他の数か国に広まった。2010年には21症例、2011年は62症例が報告された。2013年にはポリオワクチンの管理を行っていた9人の医療関係者がバイクに乗ったガンマンによって襲撃され、殺される事件がカノで発生した。これは最初で最後の襲撃であった。現地の伝統的・宗教的な指導者やポリオ生存者がポリオワクチンの接種運動の再開のために貢献し、ナイジェリアでは2014年7月24日以来ポリオは発生していないとみなされ、ナイジェリアは2015年9月26日に常在国リストからいったん除外された。もしも新たなポリオの発生がなければ、2017年にはポリオ根絶が宣言される予定であったが、2016年にボルノ州にて2名の新規患者が発生。根絶宣言は事実上先送りとなった。しかしながら以降の発症例は報告されず、2020年8月25日、世界保健機関はアフリカでポリオが根絶されたと宣言した。
※この「2010年代以降の根絶国」の解説は、「急性灰白髄炎」の解説の一部です。
「2010年代以降の根絶国」を含む「急性灰白髄炎」の記事については、「急性灰白髄炎」の概要を参照ください。
- 2010年代以降の根絶国のページへのリンク