2次元に恋したペンギン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 03:27 UTC 版)
「グレープ (フンボルトペンギン)」の記事における「2次元に恋したペンギン」の解説
2017年4月、メディアミックス作品『けものフレンズ』とのコラボレーションに際し、同作に登場する擬人化された動物のパネルが計60枚、アルパカ、フラミンゴ、ライオンなど多くの動物の飼育施設に設置された。ペンギン舎内にはフンボルトペンギンのキャラクター「フルル」のパネル看板が設置された。すると、グレープはこのパネルに特に強い関心を示し、じっと見つめる姿が多くの来園者から目撃され、給餌の時間ですら食事をとらずにパネルの前を離れない姿が連日見られた。数日のうちに「ペンギンがアニメキャラクターに恋をした」として認知され、インターネット上で話題となった。程なく個体名も周知されるところとなり、「グレープ君」として、また21歳という年齢が人間に換算すると80歳ほどにあたることから「グレ爺」として、一層の注目を集めた。 グレープがパネルの前から動かない様子は、ソーシャルネットワークサービスや、ワイドショーでも取り上げられた。東武動物公園側も「グレープ」の名にちなみ、崩したぶどうゼリーにシリアルとソフトクリームを合わせたスイーツを「恋するグレープ」という名称で限定販売したほか、インターネット配信にてグレープの姿を伝え、テレビアニメ版『けものフレンズ』でフルルの声優を務めた築田行子も、自身のTwitter上でグレープを取り上げる写真を載せた。『けものフレンズ』とのコラボ期間が終わった後も、来園者の希望に応えてパネルは設置されたままになった。その結果、同園の2017年4月から同年6月までの来場者数は前年比の約2割増となったのに対し、ペンギン舎の来場者は約20倍と大幅に増加した。同年7月に発売された書籍『けものフレンズオフィシャルガイドブック』第4巻の帯にもグレープの写真が掲載され、「東武動物公園のグレープくん」と紹介されている。 グレープがパネルから離れない理由について、同園の広報担当は「メスとは認識していないのではないか」と推測している。「老齢であるため目が悪く、パネルを人間と勘違いしているのではないか」、あるいは「各ペンギンには気に入った場所があるため、グレープの気に入った場所がたまたまパネルの近くに移動したからではないか」と推測された。 2017年10月10日頃より、餌を食べているにもかかわらず体重の減少が続く状態が見られたため、同年10月11日より展示を中止して常時飼育員の目が届く場所に移された。パネルもグレープのそばに移され、台風18号の被害を避けるため、9月17日午後から9月18日朝にかけて一旦撤去されたのを除き、コラボ開始以来初めてパネルがペンギン舎から取り除かれた。 静養当初のグレープは食欲もあり、一見すると元気そうだった。しかし、2017年10月11日の午後11時ごろから容態が急変し、点滴などの処置を行うも同年10月12日の午後2時30分に死亡した。なお、1か月後には「秋のグレープ祭り」が予定されていた。
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