2×4住宅の火災保険料取りすぎ問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 04:33 UTC 版)
「火災保険」の記事における「2×4住宅の火災保険料取りすぎ問題」の解説
「保険料過徴収問題」も参照 2×4(ツーバイフォー)住宅は、一般の木造住宅(C構造)よりも耐火性に優れた構造(準耐火構造)となっているため、1999年に損保各社が2×4住宅に対する保険料率を改定。一般的な木造住宅よりも保険料が割安な区分(B構造)となったため、割引を受けることができるようになった。しかし2006年12月10日、損保大手5社(東京海上日動火災保険、日本興亜損害保険、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおい損害保険)などにて、2×4工法で建築された建物であるにもかかわらず、割引を適用せずに従来の木造住宅と変わらない保険料を取っていたケースがあったことが判明した。 この火災保険料の過徴収問題は、保険業界全体の不祥事である保険金不払い事件が発覚し社会問題となり保険業界に対する社会からの信用が落ち込んでいた最中に発覚した。特に損保業界では自動車保険や第三分野保険などで続々と不当不払いが発覚していた時であったため、契約者に対する損保業界の考え方が、単なる金蔓程度というような保険の存在意義から逸脱したところにあるとの見方が強まり、さらなる信用の失墜を引き起こす結果となった。 2007年3月20日、三井住友海上火災保険が保険料取りすぎ問題に対する調査の中間結果を発表。これによると、8,855件、およそ8億円分が保険料の取りすぎに該当していたとのことであった。 2007年3月30日、先に火災保険料過徴収の調査結果を発表した三井住友海上火災保険以外の大手損保各社から中間調査結果が発表された。内訳は、損害保険ジャパンで4万2,730件、東京海上日動火災保険で2万6,979件、あいおい損害保険で2万2,139件、日本興亜損害保険で5,257件、ニッセイ同和損害保険で2,404件。これにより全社の合計で10万8,364件、金額にしておよそ56億円分が保険料を過徴収されていたことが明らかになった。 2007年8月4日には、損保大手6社が、火災保険の枠中だけでなく全ての個人向け保険商品(自動車保険や医療保険なども含む)の契約分を対象に、保険料取り過ぎ行為の調査を開始していることが判明した。同年3月下旬の中間調査結果発表以降も各損害保険会社は火災保険料の取り過ぎ行為について調査を進めていたが、その調査の過程で火災保険とセットで販売がなされていた地震保険についても保険料取り過ぎ行為が多数確認されたため、調査対象を全契約に拡大したことによる。これにより、この保険料取り過ぎ問題はもはや「2×4住宅にまつわる火災保険での話」だけではなくなったことになる。 2008年5月21日には、損保大手6社において、火災保険(地震保険含む)の保険料過徴収は約62万件・237億円にのぼることが明らかになった。
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