1975年、WGPへの出発準備 - カルネ
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「根本健」の記事における「1975年、WGPへの出発準備 - カルネ」の解説
根本はWGPでは250ccクラス(ヤマハTZ250)に参戦することにした。ヨーロッパへの荷物はトランスポーターとなるバンに全部積み込み、コンテナの船便で送ることにした。トランスポーターは世界共通の自動車保険に加入してJAFが発行するナンバープレートを取り付けていれば先進国間の運送協定によりカルネは不要である。旅行者が運転するトランスポーターは旅先で商品として売却しないので関税を掛けないことになっている。しかし、積荷となるTZ250は商品扱いとなるために通関にはカルネが必要となる。TZ250をある国で売却してしまうと関税対象となる。だが、TZ250が商品ではなく自分の所有物であれば関税はかからない。TZ250をある国で売却しないことを誓約する制度がカルネである。カルネがあればTZ250は商品でないので関税がかからない。ところが根本は日本の4メーカーのカルネの束を見せられた。それの束は6気筒や14速などのワークスマシンの名前が書かれたカルネであった。当時のトップライダーたちに日本メーカーがプレゼントしたワークスマシンは、本来はカルネ違反だったのだ。カルネにはバイクの価格を記入するのだが、根本はホンダの6気筒ワークスマシンが量産車の250ccと同じだったことを知った。ヤマハやスズキも同じであった。これは、スペインなどではカルネがあっても入国時に保証金を払わなければならず、出国時に保証金を返却する制度を採用しているため、日本メーカーが保証金対策としてワークスマシンの価格を量産車と同じにしていたのである。
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