1910年 - 1950年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 05:42 UTC 版)
「サンゴバン」の記事における「1910年 - 1950年」の解説
産業革命後、ガラス産業にも技術革新が起こった。史上初めて、窓ガラスも鏡も印刷されたガラスも同じ製法で製造できるようになったのである。サンゴバンはその技術革新の価値を理解し、研究と特許取得のための資金をかき集めた。 技術革新の1つは Chance Process である。従来、板ガラスを作るにはテーブル上に溶けたガラスを注いで均していたが、新製法では2つのローラーの間に溶けたガラスを通して薄く均一なガラスを形成する。それまでの板ガラスよりもずっと均一になり、研磨にかかる時間も大幅に削減できる。 サンゴバンはその後30年間に渡って、主に建築用窓ガラスで大成功を収めた。サンゴバンは徐々に製品戦略を拡大していき、1918年には壜、広口瓶、食器、家庭用ガラス器の製造を開始した。 1920年、サンゴバンは再び事業を拡大したが、今回は伝統的な窓ガラスやガラス器とは異なるグラスファイバーの製造だった。グラスファイバーは断熱材、産業用布、建築強化材の原料として使われていた。1937年、グラスファイバーの断熱材の製造に特化した子会社 Isover を創設。70年後も Isover はサンゴバン傘下でグラスファイバー断熱材のメーカーとして事業を続けている。 サンゴバンは社会にも影響を与えるような新たなガラス製法をいくつか開発した。自動車の窓ガラスをコーティングする技法は、事故の際に窓ガラスが粉砕して飛び散るのを防ぐことができる。この開発により、1920年には自動車向けガラスの売り上げは全体の10%だったが、1930年には28%を占めるようになった。 数年後、ガラスを自由に形成し曲げることができる技法を開発した。これも自動車用の窓ガラスなどの用途に活用され、ウィンドウを丸く形成できるようになったため、自動車のデザインにも影響を与えた。 さらに、ガラスをアルミニウムでコーティングする製法を開発した。これによってガラスを電導体として使えるようになった。
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