19世紀後半〜20世紀前半
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:15 UTC 版)
「エゾシカ」の記事における「19世紀後半〜20世紀前半」の解説
開拓が進むとエゾシカは明治初期に多くが狩猟され、1873年から1878年までの間に57万頭以上が捕獲された。この大量捕獲は明治政府が北海道開拓の資金を稼ぐ目的で進めたもので、当時はエゾシカの肉や皮がさまざまな国々に輸出された。同時に、農地開墾や木材生産のため生息地となる森林が伐採され消失した。さらに、1879年の記録的な豪雪がエゾシカを襲い、日高の鵡川地区では7万5000頭のエゾシカが死亡したという報告がある。こうした乱獲と大雪、生息地の破壊により、エゾシカは絶滅寸前となった(→エゾシカ大量死)。このようなエゾシカの大規模な減少は1870年代以前にも何度か発生したことが古記録に書かれている。1879年(明治12年)行政はアイヌにのみエゾシカ猟を許した。エゾシカの減少を危惧して、1890年から1910年まで禁猟措置がとられたが、狩猟が解禁されると再び大雪がエゾシカを襲い、1920年に再び禁猟となった。その後も太平洋戦争などの戦乱により社会は大きく混乱しながらも、1890年から1956年にかけて乱獲と禁猟が繰り返された。
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