19世紀の戦時の性政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:29 UTC 版)
兵士の性病防止の為の売春の国家統制は、19世紀初頭のフランスで始まり、ヨーロッパ大陸とイギリスに広がった。この当時、ナポレオン戦争の副産物として性病がヨーロッパ中に広まっていた。その後プロイセンは一時公娼制度を中断したが、軍当局の圧力で1851年に再開した。イギリスもクリミア戦争による性病の蔓延を受けて公娼制度を導入した。イギリスは、1886年に本国で公娼制度を撤廃した後も軍の利益の為に植民地ではこの制度を温存した。 北アメリカでは法制化にこそ至らなかったが、南北戦争中に北軍が南部の都市を占領すると北軍の指導者が売春の統制に乗り出し、1870年にセントルイスでヨーロッパ型の公娼制度が正式に採用された。 近代型の公娼制度は、その後、日本でも導入された。 藤目ゆきは、近代型公娼制度は「軍隊慰安と性病管理を機軸とした国家管理売春の体系」であるとしている。
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