黄金の王冠とは? わかりやすく解説

黄金の王冠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:43 UTC 版)

アルキメデス」の記事における「黄金の王冠」の解説

最も広く知られアルキメデスエピソードは、「アルキメデスの原理」を思いついた経緯である。ヒエロン2世金細工職人金塊渡して神殿奉納するための誓い王冠(en)を作らせることにした。しかし王冠納品された後、ヒエロン王は金細工師が金を盗み、その重量分の銀を混ぜてごまかしたではないか疑いだした。 もし金細工師が金を盗み、金より軽い銀で混ぜ物をしていれば王冠重さは同じでも、体積はもとの金地金より大きい。しかし体積再確認するには王冠をいったん溶かし、体積計算できる単純な立方体にしなくてはならなかった。困った王はアルキメデス呼んで王冠壊さず体積測る方法を訊いた。アルキメデスもすぐには答えられず、いったん家に帰って考えることにした。 何日悩んでいたアルキメデスある日風呂に入ることにした。浴槽に入ると水面高くなり、が縁からあふれ出した。これを見たアルキメデスは、王冠水槽沈めれば、同じ体積分だけ水面上昇することに気がついた。王冠体積等しい、増えた水の体積を測れば、つまり王冠体積測ることができる。ここに気がついたアルキメデスは、服を着るのを忘れて表にとびだしヘウレーカ(ηὕρηκα!)、ヘウレーカ!(わかったわかったぞ!)」と叫びながら、裸のままで通りかけだした。確認作業結果王冠に銀が混ざっていることが確かめられ、不正がばれた金細工師は、死刑にされた。 この黄金の冠の話は、伝わっているアルキメデス著作には見られず、アルキメデス没してから約200年後ウィトルウィウス著した文献デ・アーキテクチュラ』に記述されているエピソードである。さらに、比重が大きい金の体積この方法で調べようとしても、水位変動小さいため測定誤差無視できないという疑問提示されている。実際には、アルキメデス自身論述浮体原理』で主張した今日アルキメデスの原理呼ばれる流体静力学上の原理を用いて解決したのではと考えられる。この原理は、物質流体浸した際、それは押し退ける流体重量等し浮力を得ることを主張する。この事実利用し天秤一端吊るした冠と釣り合う質量の金をもう一端に吊し、冠と金水中浸ける。もし冠に混ぜ物があって比重が低いと体積は大きくなり、押し退ける水の量が多くなるため冠は金よりも浮力大きくなるので、空中釣り合いのとれていた天秤は冠側を上に傾くことになる。ガリレオ・ガリレイアルキメデスはこの浮力用い方法考え付いていたと推測している。

※この「黄金の王冠」の解説は、「アルキメデス」の解説の一部です。
「黄金の王冠」を含む「アルキメデス」の記事については、「アルキメデス」の概要を参照ください。

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