驚異の記憶力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 05:57 UTC 版)
台本は決してスタジオには持ち込まず、全て丸暗記した。また、スタジオの入口で渡された台本は、3回目を通すだけで丸暗記できるという逸話も残されている。ただし、台詞については、台本に書かれている記述以外に、自分で取材した資料の検討を行い、推敲を重ねた上で、自分の言葉に置き換えて放送に臨んでいた。こうした姿勢は、「台本を見ながらそのまま放送する番組程、視聴者にとってつまらないものは無く、アナウンサーとしてもプロとは言えない。また、他人の書いた台本に書かれたことは、例え完璧に調査したものであっても50%の事実でしかなく、それに自分で調べた事実を加えることで100%以上の事実にして、初めて自分の言葉で話す事が出来る。ましてや、何が起きるか分からない中継放送では、台本自体不要である」と言う持論によって導き出されたものであった。こうした芸当は「職人芸」と呼ばれ、「最後の職人アナウンサー」と言われた。 この取材のため、番組内容に関する資料は自費で購入していた。その費用は1か月あたり6万円以上であったという。また、東京アナウンス室の机の上には約800冊の資料が積まれており、「サワルナ!崩れます。積み上げるためには高等技術が必要です。」と赤インクで書かれた張り紙がしてあった。このように、自分で一生懸命に資料を読み、興味・関心を持って資料の内容を理解しようとする姿勢が、驚異の記憶力に結び付いているという。
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