領主塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 22:04 UTC 版)
この城で1番の塔であるゲートハウスは領主塔(英: The Lord's tower)として使われており、建物は13メートル (43 ft) 四方(元々の計画では18メートル (59 ft) 四方)、およそ29メートル (95 ft) の高さがある。また北東の角には、エントランスに隣接してラウンドタワーが張り出している。この塔には領主館(英: The Lord's Hall、2階部分)と3階部分の部屋があり、これらはエントランスの通路の上に位置している。丸石で飾られたヴォールト状の通路は14メートル (46 ft)の長さで、以前は2組の木製扉で守られていたほか、現在でもイェット(英語版)(蝶番式になった鉄格子の扉)が残されている。パッセージの両側に据えられた衛兵所では、銃眼を通して通路を見渡すことができ、領主塔の基底部である1階部分もよく見える。またこの通路を抜けると中庭に出ることができる。 中庭に向かう通路が含まれる1階部分と、その上層にあって2階部分全てを占めている領主館の間には直接の連絡がない。領主館には、中庭から繋がる石垣で囲まれた階段から出入りすることができ、階段の先には門がある。領主館の広間はヴォールトになっており、珍しいことに暖炉が2基据えられている。床面のタイルや木製の羽目板、ミンストレルズ・ギャラリー(英語版)は、1880年代になって導入されたものである。以前は大広間に繋がる扉も1880年代のものと考えられていたが、現在では建築当時のものと考えられている。広間と同じ階にはいくつかの脇部屋があるが、ラウンドタワーの部屋には上方にくぐり戸があるほか、南壁の中にある小部屋からは広間と中庭の両方を見渡せる。広間の北窓下にある、「殺人穴」(英: "murder hole")とも呼ばれる出し狭間からは、パッセージにやってきた襲撃者に対して、物を投げつけることができる。 大広間の上層(3階部分)には第2広間があり、公爵夫人の続き部屋の一部を成している。南壁にある小礼拝堂 (Oratory) からは中庭を見渡すことができ、中には聖水盤(英語版)や祭器卓(英語版)を収める壁龕(へきがん)がある。小礼拝堂の壁面にある通路は、城のカーテンウォールに沿った通路に繋がっている。公爵夫人の広間(英: The Duchess' hall)にある木製の天井や、木製の床・屋根は、いずれも1880年代のものである。上層部の石造り部分は、1580年代の修繕で据え付けられたものである。
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