電力の調整と貯蔵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 04:39 UTC 版)
「トラス (ISS)」の記事における「電力の調整と貯蔵」の解説
「en:Electrical system of the International Space Station」も参照 直列シャントユニット (Sequential Shunt Unit : SSU) は、太陽電池に光が当たる期間に発電した電力を大まかに出力調整するよう設計されている。82本の電力線が別々に太陽電池パネルからSSUまで接続されている。各電力線からの出力を調整し、得られる総電力量を安定化させる。トラスの制御機器アセンブリ (Integrated Equipment Assembly : IEA) にあるコンピュータが安定化電圧の設定値を制御するが、通常は約140ボルトに設定されている。SSUには、あらゆる運転条件下で出力電圧が最大でもDC200V未満を保つように過電圧保護機能がある。この電力はマスト伸展・回転機構 (Bearing, Motor and Roll Ring Module : BMRRM) を通ってIEAにある直流切替ユニット (Direct Current Switching Unit : DCSU) に送られる。SSUの大きさは12インチ×20インチ×32インチ(約30cm×51cm×81cm)で、重量は185ポンド(約83.9kg)である。 電力貯蔵システムは、バッテリ充放電ユニット (Battery Charge/Discharge Unit : BCDU)1基 とニッケル水素バッテリ・アセンブリ2基の組み合わせで基本構成されており、各トラスのIEAには計12基のバッテリ・アセンブリが設置されている。 BCDUには、太陽が当たっている期間にはバッテリを充電し、食の期間にはバッテリに蓄えられた電力を(DCSU経由で)電力バスに供給する二つの機能がある。BCDUのバッテリ充電能力は8.4kWで、放電能力は6.6kWである。他には、バッテリの状態を監視する設備と、電力回路の障害からバッテリを保護する設備がある。BCDUはIEAのコンピュータから制御される。 各バッテリ・アセンブリの内部には、ニッケル水素電池セル38個と、関連する電気・機械装置が収納されている。各バッテリ・アセンブリの名目上の容量は、81Ahかつ4kWhである。この電力は、BCDUとDCSUを経由してISSに供給される。バッテリの設計寿命は6.5年で、放電深度が35%の場合での充電・放電サイクルは38,000回以上である。各バッテリの大きさは18インチ×36インチ×40インチ(約0.46m×0.91m×1.0m)で、重量は375ポンド(約170kg)である。 一番古いP6トラスのバッテリ・アセンブリ12基は、STS-127とSTS-132で交換用のバッテリを6基ずつ運び、船外活動を行って交換して、ISSの運用寿命延長に備えられるようにした。
※この「電力の調整と貯蔵」の解説は、「トラス (ISS)」の解説の一部です。
「電力の調整と貯蔵」を含む「トラス (ISS)」の記事については、「トラス (ISS)」の概要を参照ください。
- 電力の調整と貯蔵のページへのリンク