雪の女王 (1957年の映画)
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雪の女王 | |
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Снежная королева | |
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アメリカの新聞「The Morning Call」に掲載された広告(1960年8月24日付)
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監督 | レフ・アタマーノフ |
脚本 | G・グレブネル レフ・アタマーノフ ニコライ・エルドマン |
原作 | ハンス・クリスチャン・アンデルセン |
音楽 | アルテミー・アイヴァジャン |
製作会社 | ソユーズムリトフィルム |
配給 | ![]() |
公開 | ![]() ![]() |
上映時間 | 65分 |
製作国 | ![]() |
言語 | ロシア語 |
『雪の女王』(ロシア語: Снежная королева、英語: Snezhnaya koroleva[1] / The Snow Queen[2])は、1957年にソ連のサユースムリトフィルムによって製作された長編アニメーション映画。
概要
デンマークに伝わる精霊オーレ・ルゲイエが視聴者に物語るという形で、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの同名童話を映画化している。監督はレフ・アタマーノフ。ソビエト政府(当時)による庇護のもと、商業主義とは無縁の体制で制作された[3]。
主人公ゲルダにのみスポットを当てたストーリー構成となっており、そこへアニミズム思想や自然に対する畏敬の念などロシアならではの解釈が投影された作品となっている[3]。
日本では劇場公開後、1960年1月3日にNHKでチェコのアニメ「狐と水差し」と共に放送された[4]。以後、しばしば日本語吹き替え版が休日などに地上波で放送され、カイは太田淑子、ゲルダは岡本茉利が演じたバージョンが親しまれた[5]。
作品は東映動画『太陽の王子 ホルスの大冒険』など草創期の日本アニメーション界に大きな影響を残した。とりわけ、ゲルダの少女像は東映動画労働組合主催の上映会で見た宮崎駿にショックを与えたとされる[6]。
1959年にアメリカで作られた英語版は、オリジナルのロシア語版と音楽や効果音が異なっている。また、日本語版は英語版を基に作られているためオリジナル版での鑑賞は長らく困難であったが、2007年12月に三鷹の森ジブリ美術館の配給で、オリジナルのロシア語版音声に加え日本語字幕の改められたものが「雪の女王《新訳版》」としてリバイバル公開された[3][7]。翌年には本編と、映像特典として「鉛の兵隊」「宮崎駿インタビュー」「予告編集」を収録したDVDも発売もされた。
ストーリー
ある村に、カイとゲルダというとても仲のいい2人の子供がいた。ある日、雪の女王の伝説を耳にしたカイは「雪の女王なんて怖くない」と豪語したのを、当の「雪の女王」に聞かれてしまい、彼女の呪いを受け、冷徹な性格に変貌してしまう。
それから数日後、カイは「雪の女王」に攫われてしまう。カイを見捨てるわけにはいかないゲルダは、彼を救うために「雪の女王」の元へと旅立っていく。
声の出演
役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え | |||
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劇場公開版 | NHK版 | 東京12ch版 | ?版 | ||
ゲルダ | ヤニーナ・ジェイモー | 安田千永子 | 里見京子 | 岡本茉利 | |
カイ | アンナ・コモローワ | 北条美智留 | 太田淑子 | ||
雪の女王 | マリヤ・ババノーワ | 来宮良子 | 幸田弘子 | 平井道子 | 吉田理保子 |
オーレ・ルゲイエ | ヴラディミール・グリブコーフ | 小瀬格 | 八木光生 | 熊倉一雄 | 梅津秀行 |
- 劇場公開版:共同映画配給での公開時に使用。16mmフィルムが一部の図書館に所蔵されている。
- NHK版:放送日1968年1月2日『こどもと家庭におくる夕べ[8]』他
- その他吹き替え:多田美佐子
- 東京12ch版:初回放送1978年1月5日 ※株式会社アイ・ヴィー・シーより発売のVHS・DVDに収録。
- ?版:YouTubeにて一時期公開されていた[9]。
スタッフ
- 監督:レフ・アタマーノフ
- 原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
- 脚本:G・グレブネル、レフ・アタマーノフ、ニコライ・エルドマン
- 美術:アレクサンドル・ヴィノクーロフ、レオニード・シュワルツマン
- 音楽(オリジナル版):アルテミー・アイヴァジャン
- 音楽(英語版):ジョセフ・ガーシェンソン、フランク・スキナー
- 日本語字幕(2007年新訳版):児島宏子
出典
- ^ Atamanov, Lev (1959-11-20), Snezhnaya koroleva, Vladimir Gribkov, Yanina Zheymo, Anna Komolova, Soyuzmultfilm 2024年1月24日閲覧。
- ^ “The Snow Queen | Rotten Tomatoes” (英語). www.rottentomatoes.com (2020年4月17日). 2024年1月24日閲覧。
- ^ a b c 映画『雪の女王』新訳版公式サイト - イントロダクション(2020年11月8日閲覧)
- ^ “番組表検索結果詳細”. NHKクロニクル. 2021年1月6日閲覧。
- ^ 小原篤「冬休みアニメぜんぶ見た - 小原篤のアニマゲ丼」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2007年12月17日。2007年12月17日閲覧。
- ^ 宮崎 (1996), pp. 53, 101.
- ^ 「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー ロシアの名作「雪の女王」上映」『アニメ!アニメ!』株式会社イード、2007年9月20日。2020年8月3日閲覧。
- ^ “番組表検索結果詳細”. NHKクロニクル. 2021年1月6日閲覧。
- ^ 駐日ロシア連邦大使館 [@RusEmbassyJ] (2019年10月11日). "#雪の女王 1957年の #ソ連アニメ". X(旧Twitter)より2022年4月13日閲覧。
参考文献
- ISBN 4-19-860541-6、 ISBN 978-4-19-860541-4、 NCID BN15067124、 OCLC 37636025、国立国会図書館書誌ID: 000002528112。
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- おかだえみこ『歴史をつくったアニメ・キャラクターたち―ディズニー、手塚からジブリ、ピクサーへ』(Hardcover) キネマ旬報社、2006年11月1日。 ISBN 4-87376-285-5、 ISBN 978-4-87376-285-2、 NCID BA79292650、 OCLC 608903004、国立国会図書館書誌ID: 000008540801。
- 『宮崎駿、高畑勲とスタジオジブリのアニメーションたち』(通号 No.1166(通巻第1980号))キネマ旬報社〈キネマ旬報臨時増刊7月16日号〉、1995年1月1日。ASIN B00ACWYJO4、
NAID 40000649758、
NCID AN00278059。
- おかだえみこ「日本のアニメを変えた人―高畑勲の軌跡」
- 『世界と日本のアニメーションベスト150』ふゅーじょん・ぷろだくと、2003年5月1日。
-
ISBN 4-89393-367-1、
ISBN 978-4-89393-367-6、
NCID BA62977246、
OCLC 74813471、国立国会図書館書誌ID:
000004166142。
- 五味洋子「本作がなかったら日本の商業アニメーション史は別のものになっていたに違いない 雪の女王」p. 27。
関連項目
外部リンク
- 映画『雪の女王』新訳版 - 三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー
- 雪の女王 - 映画.com
- 雪の女王 - allcinema
- Snezhnaya koroleva - IMDb
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