隕石の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 14:59 UTC 版)
つくば隕石の起源については、次のようなモデルが提案されている。つくば隕石の母天体は、太陽系形成の初期に生まれた微惑星で、金属鉄に富む。母天体の中心部は重力エネルギー・他天体との衝突のエネルギー・放射性元素の熱により加熱され、再結晶作用が起こった。最も高温になった中心部では、結晶度が高い岩石学的タイプ H6 の岩石が生成され、その周囲には相対的に結晶度の低い H5 の岩石が生成された。母天体が衝突を繰り返すうちに、表面が掘り返されて H6 と H5 のかけらが混ざり合い、固まって角礫岩化し「つくば隕石のもとになる部分」が形成された。ここまでの過程は、今から40億年前までには完了していたと考えられる。その後しばらく、母天体は小惑星帯を回り続けたようである。 ところが今から1900万年前には、「つくば隕石のもと」は数メートル程度にまで小さくなっていたことが判明している。どうして小さくなったのか(母天体から分離したのか、あるいは母天体そのものが小さくなったのか)詳しいことはよく分かっていないが、希ガスと宇宙線生成核種の測定から、大きな天体の衝突等の激しいイベントが起こった可能性は小さい。最終的に、この「つくば隕石のもと」が地球と衝突し、隕石として地表に降下した。ダストを含む落下物の総量については、回収された隕石の総量(約 800 g)の「10倍以上だとしても不思議ではない」、「100倍は越さないのでないかと思う」との意見がある。
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