間欠的血液透析と持続的血液濾過療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 18:05 UTC 版)
「人工透析」の記事における「間欠的血液透析と持続的血液濾過療法」の解説
多臓器不全を合併する重症患者の透析としては、日本では持続的血液濾過透析 (CHDF) が用いられることが多い。特に急性腎障害 (AKI)、低心機能症例や重篤な炎症がみられる症例においてよく選択される。CHDFでは間欠的血液透析 (IHD) と比べて有利な点がある。それは除水時の血圧低下など循環動態への影響が少ないこと、また血中尿素窒素の濃度変化も緩徐であることから、浸透圧変化による細胞浮腫のリスクが低いことが挙げられる。 血流量(mL/min)透析液流量(mL/min)置換液(mL/min)透析時間ダイアライザー膜面積(m2)CHDF 日本 80 - 120 7 - 10 5 - 8 24hr以上 0.7 - 1.2 CHDF 欧米 140 - 150 14 - 24 14 - 24 24hr以上 0.9 - 1.6 IHD 日本 180 - 200 500 0 4hr×3day/week 1.2 - 1.8 IHD 欧米 350 - 500 700 0 4hr×3day/week 1.5 - 2.1 IHDより程度は少ないが体外循環開始時の血圧低下が認められることがある。また回路内の血小板の消費、持続的に使用する抗凝固薬の使用による出血傾向、ブラッドアクセスカテーテルによる感染、出血、血栓、透析液使用による電解質異常(低カリウム血症、低燐血症)、ダイアライザーや抗凝固薬でのアレルギーなどが認められることがある。日本におけるCHDFの設定は血液流量60 - 100mL/min、透析液流量500mL/hr、濾過液流量300mL/hr、補充液流量800mL/hrとし、患者の状況に応じて除水量を設定する場合が多い。
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