間欠給電式電気自動車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:28 UTC 版)
この方式では、走行用バッテリーの充放電頻度を極限まで下げ、その寿命を飛躍的に伸ばすことが可能となる。システムとしては、従来のバッテリー駆動電気自動車(BEV)に、80m走行分ほどの小容量キャパシタ1(C1)を追加した形となる。急速な充放電が行えるキャパシタの特徴を活かし、回生ブレーキ時の充電と、次回に発進する際の放電をキャパシタで賄い、損失などで不足する分や照明などのサービス電源用電力をバッテリーから供給する。これにより、バッテリーの充放電回数を1 - 2/日に抑えられるため、10年以上にわたって電池交換が不要となる。キャパシタは一回の充放電量が少ないものの、短時間での反復使用が可能であり、回生電力の再使用により走行距離も増加する。以上は中型車以下のBEV、またはハイブリッド車に有効である。 また、大型の電気自動車などでさらに搭載電池量を少なくするには、間欠的に外部給電を利用する方法もある。路線バスでは、まず、停留所歩道端上部に給電線または1 - 2本の給電ポール (Charger Pole) を、車両側面上部に受電板 (Contactor) を設ける。車両が接近した時、給電ポール (Charger Pole) 上部に取り付けてある給電ロッド (Contactor) が車道側に回転し受電板 (Contactor) に接触して、停車中および発進時に車両のキャパシタ2に充電する。走行時にはまず、ブレーキにより充電されたキャパシタ1からの放電で発進し、次にキャパシタ2よりの放電、最後に電池の放電で次の停留所まで走行する。以上のパターンで停留所間を次々と走行する。渋滞や交差点の一時停止・発進にはキャパシタ1を利用する。登り坂では給電ポール (Charger Pole) よりの給電を優先的に利用する。以上により、給電状況によっては、従来の電池自動車の電池の小容量化(1/10以下)及び長寿命化(15年以上)を可能にした電気自動車システムである。
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