間氷期の気候最適期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/15 15:11 UTC 版)
「完新世の気候最温暖期」も参照 間氷期の気候最適期または気候最温暖期とは、間氷期の中でも最も「良好な」気候を経験した間氷期中の時期のことであり、しばしば間氷期の中間部に発生する。間氷期の気候最適期は、同じ間氷期の内のあまり良好でない気候(だが、それでも前後の氷期よりは「良い」気候)を経験したフェーズの前後に起こる。間氷期の気候最適期には、海面水準が最も高くまで上昇するが、それは必ずしも厳密に気候最温暖期と同時ではない。 現在の間氷期である完新世には、サブボレアル期(英語版)(亜北方期、5–2.5 ka BP、3000 BC–500 BCに相当)とアトランティック期(英語版)(9–5 ka BP、およそ7000 BC–3000 BCに相当)に気候最適期があった。この気候最適期の後に続く、現在我々が置かれている気候フェーズは、なお同じ間氷期(完新世)の内である。この温暖期の後、約2,000年前までは気温が徐々に低下し、小氷期(1250年–1850年)が訪れるまで別の温暖期が続いた。 一つ前の間氷期の気候最適期は、更新世後期のエーム間氷期(英語版)中の 131–114 ka に発生した。エーム間氷期の気候最適期は、花粉帯(英語版)E4帯の模式地域(オランダのアメルスフォールト市)で起きた。ここで、この花粉帯は Quercus(オーク)、Corylus(ハシバミ)、Taxus(イチイ)、Ulmus(ニレ)、Fraxinus(トネリコ)、Carpinus(シデ)、Picea(トウヒ)の拡大に特徴付けられる。エーム間氷期の間、海面水準は現在よりも約8メートル高く、北海の海水温は現在よりも約2 °C高かったと考えられている。
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