長期使用に伴う性能低下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 12:30 UTC 版)
「ソリッドステートドライブ」の記事における「長期使用に伴う性能低下」の解説
SSD長期使用者や多頻度利用者(容量一杯まで書き込みを行うなど)から、書き込み性能が購入時よりも低下したという報告が多数上がっている。 データを削除して空き領域となった所に再度書き込みが行われる際、データの消去処理などが追加で実行されている可能性が高い。SSDは購入当初は書き込みの際、消去済みの初期化ブロックに対して"書き込み"だけをするため処理は速い。しかし、HDDを想定した一般的なファイルシステムにおいては、書き込まれたデータを削除して空き領域とする場合、ディスクの管理情報を書き換えることでデータをOSから見えなくするだけであって、実際にはデータそのものは消去されず、空き領域にそのまま残ることになる。SSDを使用し続けることでこのような「データが残っている空き領域」が増加していくが、これらの領域はSSD側で一定の時点で消去されることはなく、そこへの新しいデータの書き込み命令があった時に初めて消去される。消去処理は、書き込み処理より約100倍ほど時間がかかり、単なる書き込みの度に “古いデータの消去 + 新しいデータの書き込み” のような2つ以上の処理を必要とするため速度が低下する。 「消去を一括に広範囲で行う」という特性上、本来消す必要の無い領域まで余計に消去してしまうため、その領域については元の値を書き戻すステップが必要となってしまう。NAND Flashの一般的な仕様の一つである「読み書きは2kB単位、消去は256kB単位」というシステムを例にとると、たった1ビットの値を書き換えるだけでも最悪のケースでは128回の読み込みと1回の消去、そして128回の書き戻し動作が行われる。
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