鋳鉄フレーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 05:39 UTC 版)
鋳鉄フレームはグランドピアノ内部の支持要素である。フレームは弦による15万から25万ニュートン(15から25トンの重量に相当)の張力を支える。以前はもっぱら砂型鋳造だったが、近年は真空鋳造によっても生産されている。真空成形されたフレームはよい表面状態のこともあれば、望ましい表面品質を得るために手作業で修正が必要なこともある。鋳鉄フレームの材料は1840年代以降歴史的にねずみ鋳鉄であったが、個々の製造業者は19世紀末以降はねずみ鋳鉄よりもはるかに高い圧力負荷と曲げ負荷を持つ特殊な鋳造組成を用いることもある。 歴史的に、純木製フレームが鋳鉄フレームの前に使われた。従来よりも大規模なオーディトリアムのために弦の張力が上がり、ハンマーや弦が太くなると、ハンマーの柄をブリッジするために鋼製クランプが使われるようになった。その後、1820年頃から、弦の張力の一部を棒鋼がピン板と弦プレートにボルトで固定されるようになった。次に、一体成形の鋳鉄フレームが登場した。1859年にヘンリー・スタインウェイ・Jr.、1869年にその兄弟のセオドアが、交差弦とピン板のカバーを考案し、今日でも通用するグランドピアノのフレームの設計原理を練り上げた。 今日、新たなグランドピアノおよびフレームを設計するために、CADや有限要素法といった最新ツールが広く使われている。ファツィオリが顕著な例であり、その他中国(海倫〔ハイルン〕)韓国(セジュン)、日本(カワイ、ヤマハ)の会社もソフトウェアを使っている。
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