鉢の木物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:58 UTC 版)
鉢木では雪の日に旅僧(時頼)が源左衛門・常世の家に泊まりにきて、貧乏ながらも暖をとるために秘蔵の鉢植えの梅・松・桜を火にくべて精一杯のもてなしをし、自分が一族に佐野庄三十余郷の領土を押収されたことを僧に話した。常世は「今は落ちぶれているが、鎌倉にもしものことがあれば馳せ参ずる覚悟である」と旅僧に語った。僧が旅立ったその後に幕府から招集命令が下り、諸国の武士が鎌倉に駆けつけるなかに常世もいた。そこに現れたのは入道となった時頼で、常世は褒められて執権に召し出されると、あの雪の日に泊まった僧が時頼だったことを知る。時頼は常世に、一族に押収された佐野庄三十余郷を返し与え、さらに家でもてなされたときに使った薪の種類に合わせ、梅松桜の名のつく荘を与え、加賀国梅田庄、越中国桜井庄、上野国松井田庄の領土と、さらに小田原城を恩賞として与えた。 恩賞の一つとされる「桜井の荘」は現在の富山県黒部市三日市であり、市民会館の敷地に常世の子孫の筆による記念碑がある。常世の屋敷跡とされる群馬県高崎市上佐野町には常世神社がある。
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