重要部検査・台車検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:17 UTC 版)
「日本の鉄道車両検査」の記事における「重要部検査・台車検査」の解説
「重要部検査」(じゅうようぶけんさ)とは、走行や安全に直結する、ブレーキ装置・主電動機・駆動装置などを取り外し、分解・検査・整備を行うことで、略して「要検」「重検」とも言われる。この際、内外の再塗装など、車両のリフレッシュ等も同時に行われることも多い。このレベルの検査になると車体と台車を切り離すため、通常の運用を離脱して、設備の整った整備工場(社によっては車両所、検車センターなどの呼称もある)へ回送されて点検・整備が行われることになる。期間は編成両数にもよるが、東京周辺の通勤電車の場合でおおよそ1 - 3週間程度を要する。 新幹線車両や電気機関車における、重要部検査と同等のものは「台車検査」(台検)と呼ばれる。新幹線車両の場合は前回の検査(全般検査もしくは台車検査)から18か月以内又は走行距離60万キロメートル以内に行わねばならない。通常は台車のみを検査し、およそ1日で運用に復帰することが多い。これによって走れない状態の車両を増やさずに運用効率を上げている。電気機関車の場合は2段階に分別され、「台車検査A」は18か月以内又は走行距離20万キロメートル以内に、「台車検査B」は36か月以内又は走行距離40万キロメートル以内に行う。 蒸気機関車の場合は「中間検査」という名義になり、2段階に分別される。「中間検査A」では、所属所内にて大まかな点検を実施し、現在はおよそ1ヶ月ないし2ヶ月ほどの時間を要する。「中間検査B」では後述の「全般検査」を行う工場に運び込み、中間検査Aよりも更に細部まで調べる大掛かりな検査となり、3ヶ月前後の時間を要する。 一般的な電車では、後述の全般検査の周期が重要部検査の周期の2倍であることから、それぞれの検査が交互に行われるため、事業者によっては検査工程の平均化などを目的に、一度の入場時に編成を二分したうえで半分を重要部検査・もう半分を全般検査とする検査体制がとられている場合もある。
※この「重要部検査・台車検査」の解説は、「日本の鉄道車両検査」の解説の一部です。
「重要部検査・台車検査」を含む「日本の鉄道車両検査」の記事については、「日本の鉄道車両検査」の概要を参照ください。
- 重要部検査・台車検査のページへのリンク