遺作映画『大鹿村騒動記』
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「原田芳雄」の記事における「遺作映画『大鹿村騒動記』」の解説
NHKドラマ『おシャシャのシャン!』(2008年1月放送)のロケで長野県の寒村・大鹿村に訪れると、そこで観た大鹿歌舞伎に大変感激した。「あれこそ日本芸能の原点だ」と思った原田は、何としてもこの村歌舞伎を自分の手で映画化し主役を演じることを強く望むようになる。 古希を迎えた2010年、阪本順治監督との次回作の映画について、原田は持参した大鹿歌舞伎に関する大量の資料を見せて打ち合わせに臨んだ。その結果『大鹿村騒動記』の製作が決まり、翌11月に約2週間の大鹿村ロケを敢行し作品を完成させた。 2011年7月11日に開かれたプレミア試写会の会見では車椅子で登場し、「この少し前に腸閉塞と誤嚥性肺炎を発症。さらに腰部脊柱管狭窄症を悪化させ、喉にも炎症を起こす満身創痍(そうい)の中、本人の強い意志で参加」と説明されたが、実際は癌が進行・転移して既に歩行もままならない状態にあった。試写会あいさつでは同作の共演者にして友人の石橋蓮司が原田のメッセージを代読。観客の喝采を浴びる中、原田が感極まって涙をぬぐう場面もあった。同作品で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、授賞式が行われた2012年時点で故人に同賞が贈られたのは初めてのことだった。
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