運動制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 14:32 UTC 版)
運動が一旦確立されても、その運動自体は他の鰭を使って制御可能である。 運動制御のために使用される特殊な鰭 船や飛行機と同じく、魚は6DoFのトランスレーション3種(上下、左右、前後)とローテーション3種(ピッチング、ヨーイング、ローリング)をある程度制御する必要がある サンゴ礁に棲む魚の多くは、扁平な体に最も適した胸鰭と腹鰭を有する ホオジロザメの背鰭にある真皮繊維には「船のマストを安定させる索具のような」機能があり、そしてサメがより速く泳ぐ際にはローリングとヨーイングを制御するため急激に硬直する。 サンゴ礁に棲む魚類は、漂泳区分帯に棲む魚類とはしばしば形状が異なる。漂泳区分帯の魚は一般的に速度を出すためにできており、水中を移動する際の摩擦を最小限に抑えるため魚雷のような流線形である。サンゴ礁の魚は比較的狭い空間そしてサンゴ礁の複雑な水底景色で活動する。直線速度よりも機動性が重要になるため、サンゴ礁の魚は機敏さであったり方向転換の能力を最大限活用する体に発達していく。彼らはサンゴの隙間へと入り込んで躱したりサンゴ頂部辺りに隠れ潜むことで、捕食者を出し抜く。チョウチョウウオ科、スズメダイ科、キンチャクダイ科など、サンゴ礁に棲む魚の多くは胸鰭と腹鰭が進化しており、ブレーキとして機能するなど複雑な機動ができるようになっている。こうしたサンゴ礁の魚の多くは色彩が濃くて側面に平べったい進化した体を持っており、岩の裂け目に定住している。腹鰭と胸鰭は別々に進化を遂げ、平らになった体と共に作用して機動性を最大限活用する。フグ科、カワハギ科、ハコフグ科などの一部の魚は泳ぎを胸鰭に依存しており、尾鰭はほとんど使用しない。
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