輝度保存変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 20:06 UTC 版)
一般的な方法の一つに、光度学(英語版)や色度学の理論を用いて、グレースケールの画像の輝度をもとのカラー画像の輝度に合わせるという方法がある。この方法は、双方の画像の絶対輝度が等しく、国際単位系のカンデラ毎平方メートルで測定することができる。また、この画像には白色点が存在する。さらに、輝度を合わせることで、CIE 1931 色空間での輝度Yによって決まる、CIE1976年Lab色空間のL*のような知覚的な明度(英語版)の測定もできるようになる。 RGBに基づく色空間の色を光度だけで表されるグレースケールに変換するためには、線形RGB空間において重み合計(英語版)を計算しなければならない。それはつまり、ガンマ圧縮関数は最初にガンマ拡張によって取り除かれるということである。 sRGB(英語版)色空間では、ガンマ拡張は次のように定義される。 C l i n e a r = { C s R G B 12.92 , C s R G B ≤ 0.04045 ( C s R G B + 0.055 1.055 ) 2.4 , C s R G B > 0.04045 {\displaystyle C_{\mathrm {linear} }={\begin{cases}{\frac {C_{\mathrm {sRGB} }}{12.92}},&C_{\mathrm {sRGB} }\leq 0.04045\\\left({\frac {C_{\mathrm {sRGB} }+0.055}{1.055}}\right)^{2.4},&C_{\mathrm {sRGB} }>0.04045\end{cases}}} ただし、CsRGBはガンマ圧縮されたsRGBの原色(RsRGB、GsRGB、BsRGB)のうちのいずれかの光の強さの値で、それぞれ0以上1以下である。また、Clinearは、それに線形的に対応するRGBの光の強さの値である。(こちらも0以上1以下)したがって、光度は3つの線形的な光の強さの値の重み合計として計算される。sRGBの色空間は、CIE1931色空間では線形光度Yで表され、以下のように与えられる。 Y = 0.2126 R + 0.7152 G + 0.0722 B {\displaystyle Y=0.2126R+0.7152G+0.0722B} . 係数は、人間の三色型色覚における各色の認識の強さを測定したものを表しており、原色ごとに異なる値である。特に、人間の視覚が最も敏感に反応するのは緑で、最も反応が鈍いのは青である。グレースケールの強さを線形のRGBに変換する際、3つの原色の光の強さは全て同じ値(計算によって導かれた線形光度Y)に設定されている。(この時、(R,G,B)=(Y,Y,Y)となる。)線形光度は通常ガンマ圧縮して非線形表現に戻さなければならない。しかしsRGBでは、3原色の強さの値が全て、上に示したガンマ拡張の逆操作であるガンマ圧縮によって求められるYsRGBに設定されている。 Y s R G B = { 12.92 Y , Y ≤ 0.0031308 1.055 Y 1 / 2.4 − 0.055 , Y > 0.0031308. {\displaystyle Y_{\mathrm {sRGB} }={\begin{cases}12.92\ Y,&Y\leq 0.0031308\\1.055\ Y^{1/2.4}-0.055,&Y>0.0031308.\end{cases}}} 実際には、3原色の強さの割合が全て同じであるため、値をsRGBおよび単一チャンネル表現に対応した画像フォーマット(英語版)に一度保存するだけでよい。sRGBの画像を認識できるウェブブラウザやその他のソフトウェアは、sRGBを用いている時には、通常3原色が全て同じ値である場合のカラー画像とグレースケールの画像で全く同じ処理が行われる。
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