軸受の焼き付き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 04:15 UTC 版)
軸受、特に「すべり軸受」の場合、軸受表面の油膜がなくなると、軸受表面に傷が入ってしまい、摩擦が大きくなり、最終的には軸及び軸受が溶解してしまう。一旦焼き付きが起こると、軸は肉盛りして研削する必要があるが、軸受は交換が必要である。 焼き付きを防ぐために、定期的な潤滑剤の充填が必要である。 メンテナンスを省略・省力化するために「転がり軸受」さらに「シールドベアリング」が用いられるようになった。 内燃機関においても、4ストローク機関において何らかの原因でオイルパンからエンジンオイルが無くなり、油圧を全喪失した場合にクランクシャフトやコネクティングロッド、カムシャフトのすべり軸受(バビットメタル)にて同様の現象が起こりうる。とりわけ、バランスシャフトのうち、2本のシャフトがクランクシャフトの2倍の回転数で回るサイレントシャフトに代表されるランチェスターバランサーを採用しているもので特に発生しやすく、油圧が確保されている場合でも無理な高回転を多用しすぎると、バランスシャフトのすべり軸受のみに焼きつきが発生する場合がある。 2ストローク機関の場合、クランクシャフトやコネクティングロッドには転がり軸受が使用されるが、オイルタンクへの2ストロークオイルの入れ忘れや分離給油仕様でのオイルポンプの故障、混合給油仕様で誤って混合燃料ではなく通常のガソリンを入れてしまった場合、急激なエンジンブレーキの使用でエンジン全体の潤滑不良が発生した際などに軸受の焼きつきが起こりうる。内燃機関で軸受けの焼きつきが起きた場合、エンジンの回転が突然停止して車輪のロックが発生したり、コネクティングロッドが折損してシリンダーブロックを突き破る「足出し」と呼ばれるエンジンブローに繋がる。
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