軌間可変客車によるゴールデン・パス直通運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:28 UTC 版)
「パノラミック急行」の記事における「軌間可変客車によるゴールデン・パス直通運転」の解説
ゴールデン・パスはモントルー~ルツェルン間を結ぶ、スイスを代表する鉄道ルートの1つである。しかし、モントルー~ツヴァイジンメン間を担当するMOB、インターラーケン~ルツェルン間のZB(ツェントラル鉄道)の軌間は1,000mmである一方、ツヴァイジンメン~インターラーケン間を担当するBLSの軌間は1,435mmと異なっている。そのため旅客車両を直接乗り入れさせる事が出来ず、乗客は乗り換えを行う必要があった。それを解消するため三線軌道による直通運転が考えられ、MOBもそれを見込みGe4/4形電気機関車を複電圧への対応工事が容易に可能な設計としたものの、費用の問題から実現する事はなかった。 そこで、2010年にMOBは軌間可変に対応した台車をPROSE社に委託し、それを受けて新型ボギー台車EV09の開発が実施された。車輪を含むフレームが左右へ自在に伸縮可能な構造となっており、これにより1,000mm~1,435mmの各軌間に対応する事ができる[20]。完成後はパノラマ客車(BDs220、BDs225)に搭載し、MOBやBLSの線路上で試験が行われた。その結果を受け、MOBは20両の新型客車をシュタッドラー・レールに発注し、既存の一部のパノラマ客車についても台車をEV09へ交換し直通運転に対応させる事を決定した。地上設備に関してもツヴァイジンメン駅に軌間可変に対応する四線軌条を設置し、当初は2021年6月からの直通運転開始を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、運転開始は2022年12月11日に延期されている。 なお、BLS区間を走行する際はBLSの機関車をそのまま使用するため、制御システムの変換や客車への電源供給を目的としたアダプター(控車)となる客車の連結が予定されている。
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