赤外線写真の撮影法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:00 UTC 版)
マニュアルフォーカス35mm一眼レフカメラや中判の一眼レフカメラのレンズには赤外線撮影用のインデックスマーク(IRインデックスマーク)が付いている。赤い点、線、菱形、R記号などさまざまである。ピントを合わせた後に距離指標をインデックスマークの位置までずらすことで赤外にピントがあった写真となる。可視光を通さないフィルターを付けると、内蔵露出計やオートフォーカスなどの機能が正しく使えなくなる。また、一眼レフカメラでは撮影レンズがファインダーを兼ねているため、フレーミングやピント合わせができなくなる。そのため、撮影には三脚を用意して、フィルターを取り付ける前にピントを合わせておく必要がある。 撮像素子から直接プレビュー画像が所得できるデジタルカメラでは、ピント合わせは容易に可能である。 綺麗な赤外線写真を撮るためには、絞りを小さくして(例えばF値をF22ぐらいにする)、シャッター速度を遅くする必要がある。絞りをF2ぐらいで使う場合には、フィルターとフィルムに合わせてインデックスマークを正確に設定する必要がある。これは、通常のカメラ用レンズは可視光線で使うことを前提としており、可視光線で合わせたピント位置が必ずしも赤外線におけるピント位置と一致しないためである。絞ることによって被写界深度を大きくするとこの問題を相克できる。 ライカのような一部のレンズメーカーは、自社のレンズにIRインデックスマークを付けていない。それは、IRインデックスマークがうまく使えるのは、特定のIRフィルターとIRフィルムを使用した場合に限られるからである[要出典]。IRインデックスマークが付いているレンズで撮影する場合にも、事前に試し撮りをしてよく焦点の調整をするのが望ましい。 レンズによっては設計範囲外の赤外光が散乱しやすく、撮影した写真のコントラストが弱くなる可能性がある。
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