賠償請求の経緯
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長年にわたり、代表選手の所属するクラブ側は代表の国際試合で選手が負傷した場合など何らかの形の代償金を各国サッカー協会もしくはFIFAが支払うよう主張してきた。対して、各国サッカー協会及びFIFAはその要求に応じてこなかった。 2004年11月、国際Aマッチモロッコ対ブルキナファソ戦でベルギーリーグ1部のシャルルロワ所属のサッカーモロッコ代表MFアブデルマジド・ウルメルス(Abdelmajid Oulmers)選手が全治8ヶ月の大怪我を負った。それまで好調を維持してきたシャルルロワは中心選手のウルメルス選手を欠いたこともあり失速し、2004-2005のベルギーリーグ優勝を逃した。シャルルロワはFIFAに対し損害賠償を求める訴訟を起こした。この問題が欧州の全クラブにとり、極めて重要であると認識したG-14はシャルルロワを支援。さらに、シャルルロワの訴えに便乗する形で、FIFAに対し過去10年間の代表試合における選手負傷の賠償金として8億6000万ユーロ(当時1204億円)という莫大な額を請求した。 2007年5月半ばには、発言力を高め、さらに圧力をかける為、G-14は欧州だけでなく南米やアフリカのクラブも参加させて、加盟クラブを倍にする考えを明らかにした。対して、2007年1月26日にUEFA会長に就任したミシェル・プラティニは、以前から現在におけるビジネス偏重のサッカー界を批判していたこともあり、G-14に対し、同年5月27日、グループの解散と損害賠償請求の取り下げを要求した。 2008年1月15日、UEFA及びFIFAとの交渉の末和解し、UEFA及びFIFAが代償金を支払う代わりに、G-14の解散とウルメルス選手の訴訟も含め当時係争中だった全ての訴えの取り下げで合意した。G-14は解散し、UEFA加盟53の国や地域から103のクラブが、ECA(European Club Association 欧州クラブ協会)を設立した。 合意事項に基づき、UEFAはUEFA欧州選手権2008本大会から代償金を支払うことになり、同大会では総額3200万ポンド(約43億4000万円)、大会に参加した選手1人につき大会期間中1日当たり3000ポンド(約40万円)を様々なクラブに支払った。FIFAは合意事項に基づき、FIFAワールドカップ・南アフリカ大会より補償金を支払うことになり、2009年12月3日、同大会に出場する選手の各所属クラブに、総額約4000万ドル(約35億円)、選手1人につき大会期間中1日1600ドル(約14万円)を支払うと発表した。これらの代償金は大会で負傷した選手のクラブのみに支払うのではなく、大会に参加した全選手の所属クラブに一律に支払う。また、代償金はUEFA及びFIFAの大会の予選ではなく、本大会のみがその対象である。なお、代表の国際試合での選手の負傷などの損害賠償金についてはこの時点では未解決のままであった。以降の経緯は欧州クラブ協会の賠償請求等の様々な要望とその経緯の項参照のこと。
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