諸分野が対象とするもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 19:03 UTC 版)
上にあげた化学の各分野を、取り扱う対象で分類する。本項は、特に脚注がある部分を除き、筑波大学数理物質科学研究科教授・齋藤一弥の分類を出典とする。 原子核を中心に、原子核反応やそれによって合成される新元素およびその性質を取り扱う分野が核化学や放射化学であり、特に後者では放射能の測定において分析化学的な方法も利用される。 単体の分子を取り扱う分野では、量子力学や計算科学の理論および測定を用いる量子化学や、光を調査の手段に用いる物理化学の領域に含まれる分子分光学があり、無機・有機の両方を含み化合物を扱う合成化学もこの範疇に入る部分が多い。 化学反応を研究する分野には、反応機構を取り扱う化学反応論、反応速度をコントロールする手法を研究することを目的とした触媒化学などがある。合成化学では、反応機構を研究したり、新しい化学反応を創造する分野はここに含まれる。化学熱力学も反応における平衡や熱を扱う。 分子の集まりを扱う分野は、その全体構造や分子の運動について研究する構造化学や、目に見える物質としての分子集合体について分子の持つ性質から物性を説明する分野である物性化学などがある。高分子化学は特に分子量の大きな分子の集まりに見られる特殊な性質を研究の対象とする。同じ高分子に相当するが特殊なものと言える生物・生命を化学的に扱う分野が生化学、生物化学である。 物質の表面に着目し、その構造や現象などを研究する分野には表面化学や界面化学がある。これらは、固体の触媒を使用する際の触媒化学とも関連する。コロイドが持つ特徴的な性質を理解する分野はコロイド化学と呼ばれる。 環境をマクロな視点で把握し、それが地球規模の大きな化学システムとして研究する分野が環境化学である。そして、自然現象や人間活動がこのシステムにどのような影響を与えるか、人工の物質が環境に拡散しどのような事態が起こるかなどを取り扱う。
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