調理・喫食法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 05:49 UTC 版)
サガンボやモロは通年で入手することができるが、身が締まる冬季に買い求める人が多いので、冬季に食卓に上る機会が多い。日常食である一方で、結婚式や葬式で出されることがあり、ハレの日の食事でもある。食感が柔らかく、小骨がないことから、栃木県では食べやすい魚として広く県民に受け入れられている。また低脂質・低カロリーかつ高たんぱく質と栄養面でも優れている。栃木県の家庭料理として定着しているものの、サメが栃木県の産物でないこともあり、サガンボやモロの料理を掲載していない郷土料理の本も少なくない。 サメ肉はさっぱりとした味であり、「鶏肉みたいな味」と形容されることがある。サメ類の中でもサガンボは最も美味とされ、モロは「家庭用の食材として不味ではない」と表現される。 サガンボは砂糖醤油で甘辛い煮付けにするのが最も一般的な調理法であり、御節料理の一品にサガンボの煮付けを加える家庭も多い。一晩おいた煮付けの周りにできる煮こごりも好まれ、作り置きする家庭が多い。そのほか照り焼きやフライ、竜田揚げにすることもある。モロもサガンボと同様に煮付けやフライにして食される。特にモロのフライは、栃木県の学校給食の定番メニューの1つである。家庭によってはソテーやムニエルにも使われる。いずれにせよ、火を通して食べるのが特徴である。 栃木市では、観光客向けにモロ料理を提供する飲食店が複数あり、モロカツ丼定食やサメステーキなどの創作料理を出す店がある。これは、福田屋百貨店栃木店の撤退でそがれた町の賑いを再生しようと2011年(平成23年)にモロに注目し、市民の有志が新しいモロ料理の開発に乗り出したことがきっかけで、モロの産地である宮城県気仙沼市が同年に発生した東日本大震災で被災したため復興支援を兼ねたものであった。これとは別に、2016年に栃木県立宇都宮商業高等学校が「モロバーガー」を開発し、販売したことがある。 海のない栃木県では、海がないゆえにサガンボとモロのみならず、寿司や刺身など海鮮料理を好む人が多く、回転寿司店の数が多い。
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