調査報告_STAP細胞_不正の深層とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 調査報告_STAP細胞_不正の深層の意味・解説 

調査報告 STAP細胞 不正の深層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 04:36 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
調査報告 STAP細胞 不正の深層
ジャンル 報道番組
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域 日本
放送期間 2014年7月27日
放送時間 21:00-21:49
放送分 49分
NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層
テンプレートを表示

調査報告 STAP細胞 不正の深層』(ちょうさほうこく スタップさいぼう ふせいのしんそう)は、2014年7月27日日本放送協会(NHK)が『NHKスペシャル』で放送した報道番組で、後に、「名誉毀損の人権侵害が認められる」「放送倫理上の問題があった」として放送倫理・番組向上機構により勧告を受けた番組である [1] [2] [3]

番組内容

2014年1月科学誌『ネイチャー』に掲載された小保方晴子若山照彦チャールズ・バカンティらによるSTAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)に関する論文の発表から撤回に至るまでの一連の騒動について、なぜこのような論文を発表したのか、また実験内容に問題はなかったのかを検証した番組である[4]

放送では論文には多数の画像やグラフが掲載されているが、その背景には小保方の上司であった笹井芳樹の指示があったことを述べた上で、その画像等に多数の不審点があることを複数の専門家が指摘。その数は掲載数140点の7割に当たるとのこと[4]。そのほか若山へのインタビューや小保方と笹井の私的なメールのやり取りについてなどが放送されていた[5]

出演者

放送前

7月23日、小保方は神戸市内で取材に来たNHKの取材スタッフから追跡取材を受け、そこから逃げる際に負傷、全治2週間の診断を受けた。代理人弁護士の三木秀夫がNHKに抗議、その後NHKから謝罪をあったとのこと[7]

放送後

NHKは番組HP等で「史上空前と言われる論文の捏造」などといった強い文面を含む告知を出していた。ネット上ではこうした不正を前提にした内容に注目が集まっていたという[8]

放送後、小保方側は同番組について「偏った内容だ」「集団リンチの先頭を切っている」と批判した。また負傷したことについても刑事告訴も検討していることも明かした[9]

そのほか、笹井の自殺についてこの番組が引き金になったのではないかという報道や[10]、通常番組の最後に出る制作スタッフのクレジットが出なかったことに疑問を唱えた上で、小保方氏の実験ノートのコピーが写し出された事について法令違反に当たる可能性があること、などといった指摘も出た[5]

NHKが公表している視聴者対応報告には2014年7月分には1288件、8月分には586件の反響が寄せられた[11][12]。週別では2014年7月21日から2014年7月27日の間で596件[13]、2014年7月28日から2014年8月3日の間で628件[14]、2014年8月4日から2014年8月17日の間で508件となっていて[15]となっていて、いずれも視聴者への意見の内容は「番組自体への意見と取材方法についての意見等」となっている。

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は2015年8月19日、STAP細胞の論文不正問題を特集したNHKのドキュメンタリー番組「調査報告 STAP細胞 不正の深層」について、審理入りしたことを明らかにした[16]。2017年2月10日、BPOは、「STAP細胞とされるES細胞は若山研究室の元留学生が作製し、 申立人の研究室で使われる冷凍庫に保管されていたものであって、これを申立人が何らかの不正行為により入手し混入してSTAP細胞を作製した疑惑があるとする事実摘示については、名誉毀損の人権侵害が認められる」とする勧告を出し、NHKに対し再発防止に努めるよう求めた[17][18][19]

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定 放送人権委員会 委員会決定 2016年度 第62号
  2. ^ 「STAP細胞報道に対する申立て」―勧 告―(全文) 2017年(平成29年)2月10日  放送人権委員会決定 第62号
  3. ^ NHKスペシャル「小保方氏への人権侵害」 BPO勧告 朝日新聞デジタル 2017年2月10日付
  4. ^ a b “「STAP論文」使用画像・グラフの7割「怪しい」 NHKが検証、専門家「うっかりミスではない」”. J-CASTニュース. (2014年7月28日). http://www.j-cast.com/2014/07/28211664.html?p=all 2014年8月16日閲覧。 
  5. ^ a b “NHK、STAP問題検証番組で小保方氏捏造説を“捏造”か 崩れた論拠で構成、法令違反も”. ビジネスジャーナル. (2014年8月15日). http://biz-journal.jp/2014/08/post_5714.html 2014年8月16日閲覧。 
  6. ^ 「NHKスペシャル」- 調査報告 STAP細胞 不正の深層 - 出演者 gooテレビ番組
  7. ^ “小保方氏激怒!NHK取材班追跡で負傷”. デイリースポーツ. (2014年7月25日). http://www.daily.co.jp/gossip/troubled/2014/07/25/1p_0007176153.shtml 2014年8月16日閲覧。 
  8. ^ “NHKスペシャル “強気”の番組告知”. デイリースポーツ. (2014年7月26日). http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/07/26/0007180400.shtml 2014年8月16日閲覧。 
  9. ^ “「見るに堪えない偏向番組」小保方氏はNスペ見ず”. MSN産経ニュース. (2014年7月28日). http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140728/waf14072811110012-n1.htm 2014年8月16日閲覧。 
  10. ^ “理研・笹井副センター長「自殺」 NHK検証番組が決定打か”. 日刊ゲンダイ. (2014年8月5日). https://web.archive.org/web/20150423202910/http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152368 2014年8月16日閲覧。 
  11. ^ 視聴者対応報告・平成26年7月分 (PDF)”. 日本放送協会. 2014年10月1日閲覧。
  12. ^ 視聴者対応報告・平成26年8月分 (PDF)”. 日本放送協会. 2014年10月1日閲覧。
  13. ^ 週刊 みなさまの声・2014年7月21日〜2014年7月27日 (PDF)”. 日本放送協会. 2014年10月1日閲覧。
  14. ^ 週刊 みなさまの声・2014年7月28日〜2014年8月3日 (PDF)”. 日本放送協会. 2014年10月1日閲覧。
  15. ^ 週刊 みなさまの声・2014年8月4日〜2014年8月17日 (PDF)”. 日本放送協会. 2014年10月1日閲覧。
  16. ^ “人権侵害の限りを尽くした」小保方氏の申し立て受け、BPO人権委が「NHKスペシャル」審理入り STAP問題特集”. MSN産経ニュース. (2015年8月19日). http://www.sankei.com/life/news/150819/lif1508190024-n1.html 2015年8月19日閲覧。 
  17. ^ 「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定 放送人権委員会 委員会決定 2016年度 第62号
  18. ^ 「STAP細胞報道に対する申立て」―勧 告―(全文) 2017年(平成29年)2月10日  放送人権委員会決定 第62号
  19. ^ NHKスペシャル「小保方氏への人権侵害」 BPO勧告 朝日新聞デジタル 2017年2月10日付

調査報告 STAP細胞 不正の深層(2014年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 00:49 UTC 版)

NHKスペシャル」の記事における「調査報告 STAP細胞 不正の深層(2014年)」の解説

2014年1月科学誌ネイチャー』に掲載され小保方晴子若山照彦チャールズ・バカンティらによるSTAP細胞刺激惹起性多能性獲得細胞に関する論文発表から撤回に至るまでの一連の騒動について検証した特集放送した。この放送対し小保方は、「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞用いて実験行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと訴え放送倫理・番組向上機構(BPO)に申立書提出。その訴えに、放送倫理・番組向上機構番組内に「場面転換わかりやすさ場面ごとの趣旨明確化などへの配慮欠いたという編集上の問題があった」とし「そのような編集結果一般視聴者に対して単なるES細胞混入疑惑指摘超えて若山研究室の「元留学生作製細胞申立人が何らかの不正行為により入手し、これを混入してSTAP細胞作製した疑惑があると指摘した受け取られる内容となってしまっている。」として「これについては真実性・相当性が認められず、名誉毀損人権侵害認められる。」として、再発防止努めるよう日本放送協会勧告した

※この「調査報告 STAP細胞 不正の深層(2014年)」の解説は、「NHKスペシャル」の解説の一部です。
「調査報告 STAP細胞 不正の深層(2014年)」を含む「NHKスペシャル」の記事については、「NHKスペシャル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「調査報告_STAP細胞_不正の深層」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「調査報告 STAP細胞 不正の深層」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「調査報告_STAP細胞_不正の深層」の関連用語

調査報告_STAP細胞_不正の深層のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



調査報告_STAP細胞_不正の深層のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの調査報告 STAP細胞 不正の深層 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのNHKスペシャル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS