誰にでも装着できる人工ヒレに
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 22:18 UTC 版)
「悠 (人工鰭のウミガメ)」の記事における「誰にでも装着できる人工ヒレに」の解説
長い期間人工ヒレをつける場合、しばしば人工ヒレを微調整しなければならず、いままでその作業は義肢メーカーしか行えないという課題があり、素人でも装着できる人工ヒレとして、真っ白なボディジャケットの第16モデルが用意された。11月23日に悠を神戸市立須磨海浜水族園に移動させ、第16モデルの装着試験を行った。今回の改良点は「ジャケット生地の伸びを防ぐために生地をナイロンからポリエステルに変更したこと」、「これまで前肢にヒレを懸垂させる方法から体全体にヒレを懸垂させる方法にして、ヒレ装着を簡素化させたこと」である。しかし第16モデルは1時間程度でジャケットが裂けて人工ヒレが脱落し、課題を残した。 12月6日、誰にでも装着できる人工ヒレを目指し、第17モデルが投入され、義肢メーカー抜きでの装着試験が行われた。しかし1回目の装着に1時間もかかったものの、わずか3秒で右前肢が脱落した。次いで2回目の装着はその場での脱落こそ起こさなかったものの、翌朝には人工ヒレが完全に脱落した。このため一時、人工ヒレの取り付けは、義肢チームの技術がなければ難しいとも予想された。 しかし諦めず、誰にでも装着でき、また簡単に人工ヒレが離脱しないように、悠の甲羅に複数の面ファスナー(マジックテープ)をつけてボディジャケットを固定するタイプの第18モデルが用意され、12月23日に装着試験が行われた。ジャケットが甲羅に固定されたため、悠は泳ぎ始めることができたが、しかしジャケットを固定したことの副作用でジャケットの肩部分に負担がかかり、2時間半ほどでジャケットの肩部分が破けて人工ヒレは外れてしまった。ジャケットの強化に課題が示され、長期間、着用させることを考えていた義肢チームはリベンジに燃えた。 悠は翌2012年2月まで人工ヒレ無しでのんびりと過ごした。
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