誤報の主張と各紙の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 22:45 UTC 版)
「第一次教科書問題」の記事における「誤報の主張と各紙の対応」の解説
書き換え報道があってから2ヶ月後の9月2日、文藝春秋のオピニオン誌『諸君!』に渡部昇一の「萬犬虚に吼えた教科書問題」が掲載された。また同日発売の『週刊文春』には「意外『華北・侵略→進出』書き換えの事実なし」という記事が掲載され、「侵略進出書き換えは誤報である」と主張した。 その後9月7日、産経新聞が一面で訂正・お詫びを掲載した。 朝日新聞は『読者と朝日新聞』と題した中川昇三社会部長名の四段の囲み記事において「『侵略』→『進出』今回はなし」「教科書への抗議と誤報」「問題は文部省の検定姿勢に」と報じた。そして「一部にせよ、誤りをおかしたことについては、読者におわびしなければなりません」としながら、「ことの本質は、文部省の検定の姿勢や検定全体の流れにあるのではないでしょうか」「侵略ということばをできる限り教科書から消していこう、というのが昭和三十年ごろからの文部省の一貫した姿勢だったといってよいでしょう」と伝えた。 毎日新聞は9月10日付「デスクの目」で、この問題に触れ、「当初は、これほどの問題に発展すると予測できず、若干、資料、調査不足により読者に誤った解釈を与える恐れがある部分もあった」「不十分な点は続報で補充しており、一連の報道には確信を持っている」と書き、読者の理解を求めている。 読売新聞は、9月28日付夕刊よみうり寸評にて、東南アジアでの「侵略」を「進出」に書き換え、日中戦争でも「侵略」を「侵入」「侵攻」と改めさせたり、「侵略」の語を削除された例は4つあると指摘。「侵略」の語が検定で強制的に改められるのは昭和30年代からであり、今回の書き換え報道の前に1981年11月から1982年5月までの連載で「侵略」追放を報じていたので、「今回初めて『侵略』が『進出』に書き換えられた」との誤報はしなかったと主張した。
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