試験をめぐる騒動・疑念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 21:38 UTC 版)
「社会福祉士国家試験」の記事における「試験をめぐる騒動・疑念」の解説
第15回試験 第15回試験では、合格発表時、当該試験の合格基準点は91点と公示され、不適切問題が4問あったと提示された。初めに提示された不適切問題4問中3問は正答が無い問題とされ、受験者らは無条件に3点の配点を得たこととなる。そのうえで、91点以上得点していることが合格条件の一つとされ、合格発表当初合格者数9,800人、合格率29.3%とされていた。しかし、合格発表の翌月に不適切問題はさらに3問あると公示され、その3問中2問は正答のない問題であったため、当該問題で得点を得ていなかった受験者らに無条件で得点を与えることとなった。よって、加点を受けた追加の合格者701名を加え、第15回試験における最終合格者数10,501人、合格率31.4%となり過去最高の合格率となった。(第30回試験時点)ちなみに、科目免除を受けていない受験者が自力で得点を得ることができる問題数は145問あり、その内86問自力で正答すれば合格基準の1つを満たしたこととなる。(自力正答率59.3%で合格基準の一つを満たす) 第25回試験 第25回試験では、試験終了後から受験者及び予備校など各所で今年の問題は難しいといった声が多くあがっていた。また、第24回試験以前は全問一問一答の出題方式であったものが、第25回試験より一問に正答が二つあり、その両方を選択しなければ得点とならない問題が複数問出題されるようになり、初回であった第25回試験では、受験生らに出題方式が変更されていると通達されていなかったため、解答し損ねてしまったという声も見受けられた。 これらが相まってか、試験実施前に提示されていた出題基準・合格基準は前回の試験と変わっていなかったが、当該試験における合格基準点は72点(得点率48%、提示合格基準点比80.0%)とかなり低く公示されたにもかかわらず、合格者数8,058人、合格率18.8%と第1回試験に次いで低い合格率となった。 第30回試験 第30回試験では、まず受験料の大幅な増額があった。第23回試験より試験運営元の積立金を元手に受験料が減額がおこなわれていたが、その積立金が底をついたことを理由に、平成29年度事業計画時に第30回試験も第29回試験と同様に科目免除なしの場合7,540円としていた受験料を、15,440円に増額することとした。 試験における出題基準・合格基準に変更はなく、例年通り試験が実施され、各予備校における試験全体の難易度の総評も例年通りなど、特に異常であるといった評価はなかった。そういった中で当該試験における合格基準点は99点と公示された。合格基準点が公表されるようになってから、合格基準点が90点を超えた試験は第15回試験のみであり、不適切問題による得点がない試験としては初であった。 前回試験であった第29回試験の合格基準点86点より13点、公開されている過去の合格基準点平均の83.7点から15.3点と、著しく合格基準点が上昇し、受験者らから到底納得できるものではないといった声があがったが、ここまで合格基準点を押し上げることとなった要因は、試験運営元から示されていない。 社会福祉士国家試験は150点満点の試験であり、合格基準が少なくとも第15回試験から変化がないにもかかわらず、過去最低の合格基準点であった第25回試験と第30回試験の合格基準点に27点もの開きがあったことは、国家試験としての試験の同一性を担保することができていないのではないかとの指摘が、試験終了後、5ちゃんねるに開設されていたスレッドや個人が運営する介護系・試験対策系のブログのコメント欄にあげられた。また、前述した事業年度内に行われた受験料の急な大幅な値上げもあって、もはや試験運営元に試験事務の適正かつ確実な実施を行えるだけの能力がないのではないかとのの憶測も飛びかうこととなった。 さらに一定以上の得点率と科目群における得点の有無のみが合格基準と明示され続けているが、第30回試験においては恣意的に合格基準として示されていない合格率を考慮して合格基準が設定されたのではないかとの憶測が、日本ソーシャルワーク教育学校連盟会長や各予備校などから示された。
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