診断と準備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:10 UTC 版)
歯内療法が実施される前に、歯髄および周囲の歯根尖端組織の正しい診断が必要である。この診断によって歯内治療医は最も適切な治療選択肢を選ぶことができ、歯および周囲組織の保存や長期維持が可能となる。不可逆的な炎症を起こした歯髄の治療法の選択肢は、抜歯または抜髄処置(根管治療の手法)のいずれかになる。 感染や炎症を起こした歯髄組織を除去することで、歯内治療医は歯の寿命および機能を維持促進できるようになる。期待できる歯の予後および患者の希望を考慮に入れて、治療法が選択される。臨床検査(口の内部外部両方)や診断試験を行うことで、完全な履歴(患者の症状および病歴を含む)の把握が必要とされる。 歯髄および周辺組織の診断に有用となる診断試験が幾つかあり、以下のもが含まれる。 触診(これは、腫れや圧痛の有無を確認するべく、覆われている組織から歯根の先端が感じられる場所について行う) 可動性(これは、歯槽内で正常な動きを超える歯があるか否かを評価する) 打診(優しく打診して、叩かれた歯の圧痛や柔軟性を確認する) 透光(留意すべき破断の有無を確認するために歯を通して光を照らす) 歯損傷診断(これは、患者がプラスチック製の器具を噛むよう依頼される検査。これは患者が噛むと痛みを訴える場合に有用で、その歯を特定するために使用される) レントゲン写真 歯髄テスト(en) 歯が(虫歯、亀裂などで)ひどく侵されていて、将来的な感染が起こりそう又は避けられないと考えられる場合、そうした感染を防ぐための歯髄切除術(歯髄組織の除去)が推奨される。 通常は、ある程度の炎症ないし感染症が歯の内部または下部に既に存在している。感染を治して歯を救うため、歯医者は歯髄腔に穴をあけて感染した歯髄を取り除き、それからファイル(またはリーマー)として知られる長い針状の器具で根管から神経を摘出する。
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