設計と飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 02:13 UTC 版)
探査機の全体的な形状は球状をしており、そこから5つのアンテナが突出していた。無線機は19.993MHz(シグナル送信用)・183.6MHz(追跡用)・70.2MHzの3つの周波数を使用した。ソビエト連邦の紋章に加え、観測装置として磁力計・ガイガーカウンター・シンチレーション検出器・流星塵検出器などを搭載した。電力は水銀電池と酸化銀電池により供給された。探査機本体に推進システムは搭載していなかった。同型機としてルナ2号が存在する。 ルナ1号は1959年1月2日16時41分21秒(UTC)にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。打ち上げロケットの第3段と共に脱出速度にまで加速した後、ロケットから切り離された。 1月3日、地球から11万3000kmの距離まで飛行したルナ1号は、搭載していた1kgのナトリウムを放出した。気化したナトリウムの航跡は地球上から6等級の明るさで観測でき、宇宙空間における気体の振る舞いに関する研究に役立てられた。 1月4日、ルナ1号は月から5995kmの距離を通過し、地球と火星の間を公転する太陽周回軌道に入った。打ち上げから月接近までの飛行時間は34時間だった。なお、打ち上げロケットの第3段も、ルナ1号と並走して太陽周回軌道に達した。ルナ1号の軌道要素は、1959年1月1日19時を元期として近日点距離0.98au・遠日点距離1.32au・公転周期450日・軌道傾斜角0.01度である。
※この「設計と飛行」の解説は、「ルナ1号」の解説の一部です。
「設計と飛行」を含む「ルナ1号」の記事については、「ルナ1号」の概要を参照ください。
- 設計と飛行のページへのリンク