親と子どもの隔離収容政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 02:45 UTC 版)
「トランプの壁」の記事における「親と子どもの隔離収容政策」の解説
2017年7月、トランプ政権が始めた不法移民取り締まりを強化する「ゼロ・トレランス」(不寛容)政策で、ニューメキシコからテキサスにわたるエルパソ地区において子どもと親を分離するパイロットプランを非公開でスタートさせた。 2018年2月26日、アメリカ自由人権協会 は、亡命を求めているコンゴ人女性から7歳の娘を強制的に引き離したとして連邦訴訟を起こす。4月6日、ジェフ・セッションズ司法長官がゼロ・トレランス政策を公式に発表する。メキシコ国境地帯で大勢の移民の子どもを親や保護者から引き離して別々に収容し始めたことに対し、非人道的であると全米各地で抗議デモが起きた。歴代大統領の夫人たち、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の妻ローラ・ブッシュ、やミシェル・オバマ、ロザリン・カーター、ヒラリー・クリントン、またメラニア・トランプ自身も反対の意思を表明した。日系アメリカ人の俳優ジョージ・タケイは、第二次世界大戦中の日系人の強制収容施設ですら、親子を分離して収容するという残虐なことはされていなかったと激しく抗議した。トランプの隔離政策に対し、イリノイなどの17州およびコロンビア特別区が政権を訴えた。連邦裁判所は6月26日、すべての引き離された家族を再開させるよう判決をくだすが、乳幼児や5歳以下の子どもたちまで引き離され、親と再会できるのは半分以下の可能性があると人権団体が指摘した。政府は犯罪者から子供を守るためという口実で隔離を再開し、いまも続けられている。 親と引き離された子どもをおとなしくさせるため、子どもたちは当局から大量の向精神薬を強制的に飲まされていたことも明らかになっている。「親子引き離し政策」に関する公聴会では、同伴者のいない子供に対して施設職員が行った組織的な性的虐待の事例も報告された。さらには、隔離収容された大勢の子どもたちのうち、2020年10月の段階でもいまだ545人が親と再会できていないことが判明している。翌月11月の発表では、引き離し政策のため親が見つからず孤児となった子供の数は666人に修正された。人権団体は、政府がその数を正確に報告していないし、実数把握する努力すらしていないと批判している。親の3分の2の親が既に子どもを伴わない状態で国外に送還されたことも判明している。
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