行事の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/07 13:58 UTC 版)
近くにいる雌のラクダの存在がラクダ相撲の動機づけになる。そのため、ラクダ相撲は歴史的に発情期に行われてきた。もっとも、暴力性が増すため、動機づけのために近くに雌のラクダを置くことは、近年はあまり行われない。雌のラクダなしに、雄のラクダ同士を戦わせることは難しい。そこで、主催者は雄のラクダたちを絡ませたり、飢えさせたりすることで、競技により積極的にさせる。ラクダは相手を倒すために、首をテコとして利用する。対戦相手が地面に倒れるか戦いから逃げた場合、ラクダは勝者とされる。ほとんどの競技用のラクダは、イランやアフガニスタンで育てられる。 雄のラクダは10歳になるとラクダ相撲を始め、なかには10年以上、戦い続けるラクダもいる。ラクダの所有者は、しばしば政治家や世界の指導者にちなんで、ラクダに名前をつける。ラクダはしばしば装飾された絨毯や彫刻された鞍、そして鈴を身に着ける。ラクダ相撲には、ラクダのあいだでの美しさを競うという側面もある。ラクダを使う見世物は、サウジアラビアでも人気であり、しばしば 競駝を伴う。このイベントでは、しばしばフルートやドラムが演奏される。ラクダの肉が観客に振る舞われることもある。2011年現在、トルコには2,000頭のラクダ相撲用のラクダ(トゥル)がいて、競技用に特化して育てられている。好成績のラクダは、20,000ドル以上の値段で売られることもある。 ラクダが人混みを通って逃げようとした場合、ラクダ相撲は観客にとって危険になることもある。ラクダのつばも危険なものである。時として、ラクダのオーナー同士で喧嘩が起きることもある。 トルコのエーゲ海地方では、これまでに約30回の年次祭が行われており、毎年11月から3月にかけて開催されている。約100頭の競技用のラクダが、これらの祭りに参加し、各ラクダがおよそ10回の試合を戦う。ラクダ相撲は、日曜日にサッカースタジアムで行われ、典型的には各試合ごとに10分ほど続く。祭りの時期の終わりには、しばしば最も優れたラクダ同士が戦う決勝トーナメントが行われる。様々な国の観光客がこのイベントに参加していて、アナトリア西部の観光業の重要な一部となっている。このイベントは本物のトルコ文化の一部だとみなされるため、多くの観光客がこのイベントに惹きつけられる。ラクダ相撲は、観光業上の価値があることに加えて、トルコ西部の農村部の住民のあいだで、もっとも人気のある娯楽の種類の一つでもある。 なお、複数の動物愛護団体が、ラクダ相撲を動物虐待と位置づけて批判している。
※この「行事の詳細」の解説は、「ラクダ相撲」の解説の一部です。
「行事の詳細」を含む「ラクダ相撲」の記事については、「ラクダ相撲」の概要を参照ください。
- 行事の詳細のページへのリンク