落ち葉堆肥農法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 08:44 UTC 版)
かつては関東ローム層が露出し痩せて作物が育たない土地であったが、島状に点在する雑木林(主としてクヌギ)の周囲だけは落ち葉が堆積して肥沃な土壌であったことから、落ち葉を敷き詰め堆肥とし、長い時間をかけて腐葉土を形成してきた。その営みは現在も続けられており、この循環式農業は原村政樹監督のドキュメンタリー映画『武蔵野』でも取り上げられた。 三富新田の土壌はサラサラしており、風が吹くと土埃が舞い上がりやすいため、落ち葉を供給する雑木林が屋敷森の役割も兼ね、集めた落ち葉の山に昆虫が生息することから餌を求める野鳥も集まり小さな生態系を構成している。 当初はさつまいも栽培に限られてきたが、現在では狭山茶や葉物野菜全般、果樹や花卉を手掛ける農家もいる。また、伝統的な芋栽培はブランド作物となっている「川越いも」(紅赤)の産地となっている。 一帯では武蔵野台地を深く開削した砂川堀以外に河川がなかったため利水が難しく、稲作が行われなかった。 2014年(平成26年)より世界農業遺産を目指しており、2017年(平成29年)に新たに創設された日本農業遺産に三富新田に接する川越市南西部(中福・下赤坂)とふじみ野市西部(大井武蔵野)を加えた武蔵野地域に拡大し「武蔵野の落ち葉堆肥農法」として登録。さらに隣接する狭山市も加え、国内所管である農林水産省が2022年の世界農業遺産候補とした。 身近にある雑木林(ふじみ野市) 落ち葉集めのための道(川越市) 保管されている落ち葉(三芳町) 厚く堆積した落ち葉由来の腐葉土(三芳町) 狭山茶畑(三芳町) 農業遺産の幟と「いも街道」の道標(三芳町)
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