花の花被とは? わかりやすく解説

花の花被

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 14:34 UTC 版)

花被」の記事における「花の花被」の解説

花は、基本的に同心円状 (ときにらせん状) に配列した複数要素から構成されている。このような要素の中で、雌しべ雄しべ外側にあり生殖能をもたない (花粉胚珠形成しない) 的な要素花被片、その集合花被よばれる多くの花において、花被片内外2輪配置している。外側花被片外花被片 (集合名称は外花被)、内側花被片内花被片 (集合名称は内花被) とよばれる多くの花では、外花被片小さく緑色開花時には目立たないが、内花被片大きく目立つ色をしている。このような場合外花被片萼片 (集合名称は)、内花被片花弁 (集合名称は花冠) とよばれるユリ (ユリ科) のように花被片内外2輪配置していても、内外明瞭な違いがない場合萼片花弁とはよばれず、ふつう外花被片内花被片よばれるが、このような花被片花蓋片 (集合名称は花蓋) とよばれることもある。 萼片花弁とよばれない花被片 (同花被花単花被花花被片) において、地味なものは萼片状 (sepaloid; 下図1a)、派手なものは花弁状 (petaloid; 1b, c) と表現される。またどの程度分化していれば萼片花弁とよぶのかは必ずしも明瞭ではなく分類群によって多分に慣習的な部分もある。アヤメ (アヤメ科) などでは、外花被片内花被片の間に大きな形態的差異があっても萼片花弁とはよばれない (下図1b, c)。またラン科では、1個の内花被片 (唇弁) を除いて外花被片内花被片形態的差異小さいことが多いが (下図1d)、萼片花弁よばれることも多い。同様に外花被片内花被片が共に派手であっても萼片花弁よばれる例もある (下図1e)。 1a. スズメノヤリ (イグサ科) の花. 花被片萼片状. 1b. スノードロップ (ヒガンバナ科) の花. 花被片花弁状で外花被片の方が大きい. 1c. アヤメ (アヤメ科) の花. 花被片花弁状で大きな外花被片互生する内花被片小さい. 中央は3分岐した雌しべ. 1d. シラン (ラン科) の花. 3枚外花被片 (背萼片2枚側萼片) と2枚内花被片 (側花弁) はほぼ同じ色・形であるが、1枚内花被片 (唇弁) は特殊化している. 1e. オダマキ (キンポウゲ科) の花. 花冠とも派手な色彩をもつ. 後方伸びている管は花弁一部からなる距. 花被は、同様に表皮囲まれ葉肉状の柔組織からなるが、くらべて未分化な状態にある。ふつう細胞間隙発達しており、またでは細胞葉緑体をもつことが多い。花被 (特に花冠) はしばしば目立つ色をしているが、この色は、花被片構成する細胞含まれるフラボノイド (アントシアニンなど)、カロテノイドベタレインなどの色素よる。また白い色は、色素だけではなく花被内の気泡全ての波長可視光反射することも関与している。さらに花被表面微細な突起や隆条構造細胞中のデンプン粒などが光を反射し花被の色や質感関与していることもある。

※この「花の花被」の解説は、「花被」の解説の一部です。
「花の花被」を含む「花被」の記事については、「花被」の概要を参照ください。

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