良薬口に苦し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 13:42 UTC 版)
良薬口に苦し(りょうやくくちににがし)は、孔子からのことわざ。
概要
良い薬は苦くて飲みにくいことが多いということである。ここから転じて自らにとって役に立つような忠言や忠告というものは、なかなか素直に聞き入れることができないようなものであるということを意味して用いられるようになる[1]。
由来
この言葉は『孔子家語』で孔子が述べていたことが由来である。ここでは孔子は、良い薬は苦くて飲みにくいが良く効き、真心から出た忠言の言葉は耳に痛いが行いを正すのにはよく効くということを述べていた。これに続いて殷の湯王と周の武王には喧々諤々と王に忠告する部下がいたからこそ栄えて、対して夏の桀王と殷の紂王には唯々諾々と王に諂う家臣ばかりでいたために滅んだということも述べた[2]。
この表現は『後漢書』や『史記』でも用いられていた。日本では平安時代に知識人の間で知られていく。江戸時代になれば庶民の間でも知られるようになる。『漢籍』では良薬口に苦しに続いて忠言耳に逆らうとあった。この言葉は江戸いろはかるたにもあり、絵札には臣下の忠言を苦い顔で聞いている殿様が描かれていた[3]。
脚注
- ^ “良薬苦口 | スピーチに役立つ四字熟語辞典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス”. 情報・知識&オピニオン imidas. 2025年2月27日閲覧。
- ^ “No.4005【良薬は口に苦けれども病に利あり。】『孔子家語』|今日の四字熟語・故事成語|福島みんなのNEWS - 福島ニュース 福島情報 イベント情報 企業・店舗情報 インタビュー記事”. fukushima-net.com. 2025年2月27日閲覧。
- ^ 日本国語大辞典,ことわざを知る辞典, 精選版. “良薬口に苦し(りょうやくくちににがし)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月27日閲覧。
良薬口に苦し
出典:『Wiktionary』 (2020/08/01 00:20 UTC 版)
成句
良薬(は)口に苦し(江戸いろはがるたでは「れうやく口に苦し」として、「れ」の文字に当てるが、「良」の漢音の字音仮名遣いは「リャウ」)
同義句
出典
- (白文)孔子曰、良藥苦於口、而利於病。忠言逆於耳、而利於行。
- (訓読白文)孔子曰はく、良藥口に苦けれども、病に利あり。忠言耳に逆へども、行ふに利あり。
- (現代語)孔子が言った、「よい薬は飲むと苦いが、病を治す効力がある、忠言というものは、素直に聞けないが、役に立つものである。」
翻訳
参照
「良薬口に苦し」の例文・使い方・用例・文例
- 良薬口に苦し
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