興業上の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 15:13 UTC 版)
「ホワイトウォッシング (配役)」の記事における「興業上の理由」の解説
俳優組合SAG-AFTRA の全米専務取締役デイヴィッド・ホワイトは白人俳優の利益最大化について、ウィル・スミス、デンゼル・ワシントン、デヴィッド・オイェロウォのような黒人俳優は配役理論について反論していると語った。電気通信学助教授アンドリュー・J・ウィーヴァーは「ハリウッド映画において、白人は黒人俳優や他の人種が多く出演する映画を敬遠する傾向がある。そのため少数民族の役柄でも白人が配役されている」と語った。映画学教授ミッチェル・W・ブロックは「投資者やプロデューサーに印象付けるため、ビジネス上撮影所と配役は切り離すことができない」と語った。リドリー・スコット監督は、著名な俳優を配役せずに聖書を基にした叙事詩的映画『エクソダス:神と王』(2014年)はできなかっただろうとし、「低予算では映画を作ることはできない。主役が無名の役者では資金を得ることはできなかっただろう」と語った。『USAトゥデイ』紙は『ティファニーで朝食を』(1961年)、『マイティ・ハート/愛と絆』(2007年)、『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』(2015年)などの映画は「有色人種に俳優、監督、プロデューサーの職が不足しているにも関わらず、白人俳優が主要な役柄に配役され続けている」と記した。 メディア監視グループは、『ローン・レンジャー』(2013年)でジョニー・デップがネイティヴ・アメリカン役を演じるなど、映画における配役問題の解決策を模索している。アメリカの映画は世界市場となっており、より現実味を求める多様な観客から議論が起きている。SAG-AFTRAのデイヴィッド・ホワイトは白人でない役に白人俳優を起用することへの議論に対し「法律では職を得るのに人種は考慮されないこととなっている」と異議を述べたが、配役の多様性の欠如は認めた。法律学教授ジョン・テーラニアンは「もちろん、人種で区別しない配役は本質的に間違いではない。しかし現実にはアフリカ系アメリカ人、ラテン系、アジア系俳優が白人の役に配役されることはめったにない」と語った。 ただしこれらの概念に対し、近年ハリウッドでは『Steel Magnolias 』(2012年)や『Death At A Funeral 』(2010年)など、人気映画のリメイクを全て黒人俳優で演じる作品が製作されている。『ANNIE/アニー』(2014年)、『ベスト・キッド』(2010年)などのリメイク映画はオリジナル作品のファンからは支持を得られず、基礎的な部分を変えたことで「ブラックウォッシング」と批判された。
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