自由場とは? わかりやすく解説

自由場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/22 01:45 UTC 版)

場の量子論
(ファインマン・ダイアグラム)
歴史

物理学では、自由場とは、相互作用のないのことを言い、運動項と質量項により記述される。

記述

古典物理学では、自由場(free field)は、場の運動方程式線型偏微分方程式(PDE)によって与えられる場合を言う。そのような線型偏微分方程式は、初期条件を与えられると一意的な解をもつ。

場の量子論では、作用素に値を持つ超函数(operator valued distribution)が自由場であるということは、同じ古典場(つまり作用素ではない)に対応する同じ線型偏微分方程式の場合があり、二次多項式ラグラジアンについてのオイラー=ラグランジュ方程式となっている線型PDEを満たすような場のことを言う。この超函数の微分を、テスト函数の微分と定義することが可能である。詳細はシュワルツ超函数を参照。通常の超函数を扱うのではなく、作用素に値を持つ超函数を扱うので、これらの線型PDEは、状態により拘束されているのではなく、代わりに乱された場の間の関係式により記述されている。線型PDEとは別に、作用素も、交換/反交換関係式を満たす。

正準交換関係

基本的に、相互作用のある場の交換関係ボゾンに対して、反交換関係フェルミオンに対して与えられ、双方のテスト函数の上を渡る PDE の(実際は函数ではなく、超函数の)場のペイエールのブラケット英語版(Peierls bracket)の i 倍である。これはCCR/CAR代数英語版(CCR/CAR algebra)の形を持っている。

無限自由度を持つ CCR/CAR 代数は、多くの非同値な既約なユニタリ表現を持っている。理論をミンコフスキー空間上で定義しようとすると、いつも必要なわけではないが、真空状態を持っているユニタリな既約表現を選ぶ必要がある。

φ を作用素に値を持つ超函数とし、(クライン・ゴルドン)偏微分方程式を

.

とする。これはボゾン場である。この超函数をペイエールのブラケット(Peierls bracket) Δ により与えられた超函数と言う。すると、

となる。ここに、φ は古典場で {,}(コンマ)ペイエールのブラケットである。

すると、正準交換関係 (CCR) は、

.

である。Δ が 2つの引数を持つ超函数であるので、乱されることがある。

同じことであるが、次の式も強調しておく。

ここに 時間順序積作用素で、f と g のサポートは空間的に(spacelike)に分離されていると

となる。

参照項目

参考文献

  • Michael E. Peskin and Daniel V. Schroeder, An Introduction to Quantum Field Theory, Addison-Wesley, Reading, 1995. p19-p29

自由場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/15 11:06 UTC 版)

シュレーディンガー場」の記事における「自由場」の解説

シュレーディンガー場対応する、自由場ラグランジアン次ののである。 L = ψ † ( i ∂ ∂ t + ∇ 2 2 m ) ψ . {\displaystyle L=\psi ^{\dagger }\left(i{\partial \over \partial t}+{\nabla ^{2} \over 2m}\right)\psi .} ただし経路積分ないし正準量子化において、 ψ {\displaystyle \psi } は、c数の場であるとき、同種の相対論的ボソン集まり記述する。 また ψ {\displaystyle \psi } が グラスマン数に値を持つ場である場合同種の相対論的フェルミオン集まり記述する

※この「自由場」の解説は、「シュレーディンガー場」の解説の一部です。
「自由場」を含む「シュレーディンガー場」の記事については、「シュレーディンガー場」の概要を参照ください。

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