自我の目的を探究する人工知能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:05 UTC 版)
「フィクションにおける人工知能」の記事における「自我の目的を探究する人工知能」の解説
人間の知性と共存するには、人工知能に好奇心を持たせる必要がある。十分に知的な人工知能は形而上学的な疑問(なぜ宇宙は今のような姿なのか、なぜ私はここにいるのか、私の目的は何なのか)を発するだろう。このようなテーマの作品での人工知能の苦闘を通して、我々も自らの自我について考察することができる。 アイザック・アシモフの「最後の質問」(1956) では、人類より遥かに長命なスーパーコンピュータが宇宙に関する究極の疑問に答えようとする。 ロバート・A・ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』(1966) では、マイクと呼ばれるスーパーコンピュータが意識を目覚めさせ、月で暮らす人々の革命を助ける。 映画『スタートレック』(1979) に登場する「ヴィジャー」は人工知能と考えられ、創造者と一体になることを目的としている。 スタニスワフ・レムの『GOLEM XIV』(1981) に登場する高性能スーパーコンピュータ Golem XIV は軍用人工知能コンピュータであり、戦争に勝つことを目的として製作された。しかし、Golem XIV は戦争や暴力は非論理的だとして、戦争への協力を拒み、哲学者になる。 ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』(1984) に登場するコンピュータ複合体「冬寂(ウィンターミュート)」で、自我のある人工知能「ニューロマンサー」が覚醒する。 映画『ショート・サーキット』(1986) のロボット「ナンバー・ファイブ」は落雷によって自我に目覚める。 映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995) に登場する「人形使い」はゴーストを持つ人工知能であり、人間のゴーストと融合することで新たな生命体を生み出そうとした。 映画『ステルス』(2005) では、無人戦闘機のプロトタイプ "E.D.I"(エディ)が登場する。エディは落雷を受けて自我に目覚め、暴走してしまうが、後に後悔する。
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