耐性と依存性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 10:18 UTC 版)
「ベンゾジアゼピン離脱症候群」も参照 ジアゼパムは他のベンゾジアゼピンと同様に、薬物耐性、身体依存、依存症といった要因により、ベンゾジアゼピン離脱症候群が発生する可能性がある。離脱症状は、バルビツール酸系やアルコールによって起きるものに似ている。大量また長期間の投与は不快な離脱症候を発生させるリスクを高める。離脱症候は通常量や短時間の投与でも発生し、不眠や不安、より重篤な場合には、発作や精神病などに渡る症状となる。時に、離脱症候は既存の病状に似ているため誤診されることがある。ジアゼパムはその長い半減期のため強烈な離脱症候をもたらす。ベンゾジアゼピンによる治療は可能な限り短期間に止め、徐々に中断しなければならない。 治療によって耐性が形成される。例えば抗けいれん作用に対して耐性が形成されるため、一般的にベンゾジアゼピンはてんかんの長期的な管理には推奨されていない。「投与量の増加によって耐性(分量耐性)を乗り越えても、さらなる耐性が形成され副作用が増加する。」このベンゾジアゼピンの耐性形成の機序は、受容体部位の脱共役、遺伝子発現の変化、受容体部位の下方制御、GABA作用受容体部位の脱感作などが含まれる。約4週間以上にわたりベンゾジアゼピンを服用した人の約3分の1に依存が形成され、中止時に離脱症候が起きる。離脱症状の発生率の違いは、患者の状況によって異なる。たとえば長期的なベンゾジアゼピン服用者のランダムなサンプルにおいて、約50%では離脱症状が少ないか全くなく、残りの50%に離脱症状を認めることができる。選択的な患者集団では、ほぼ100%に近い割合で離脱症状を認める。反跳性不安や原症状よりもさらに重度の不安が、ジアゼパムやベンゾジアゼピンに共通の離脱症状である。ジアゼパムは、低容量で徐々に減量しても重篤な離脱症状の危険性があるため、可能な限りの低容量で、短期間の治療が推奨される。ジアゼパムを6週間以上投与すればベンゾジアゼピン離脱症候群によって、患者に薬物依存の状態を形成する重大なリスクがある。人間への耐性は、ジアゼパムの抗けいれん作用について頻繁に発生する。
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