線粗さパラメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/07 16:28 UTC 版)
以下の粗さパラメータの定義は主にJIS B 0601:2013による。 数多くの粗さパラメータのうちRaが群を抜いて広く用いられているが、それが特に都合がいいというより、初期の粗さ測定ではRaしか得られなかったという歴史的な理由が大きい。ほかによく用いられるパラメータとしてはRz、Rq、Rskがある。一部のパラメータは特定の産業や特定の国でのみ用いられる。たとえば、Rkに代表されるパラメータはふつうシリンダー・ボアに対して用いられ、モチーフパラメータは主としてフランスで用いられている。 これらのパラメータは輪郭曲線に含まれるすべての情報を一つの数値に落とし込むものであるため、その利用と解釈には十分な注意が必要である。元の輪郭データにわずかな変化が生じても数値には表れないし、平均線の計算方法や物理的な測定方法が計算結果に大きく影響する。近年のデジタル測定器では、測定曲線を目で確認して計算結果に影響する欠陥を探し、もしあれば再測定するといったことが可能である。 それぞれの測定値が何を意味しているかは必ずしも明白ではないが、インタラクティブなシミュレーションツールがあれば、人間の目には明らかな表面形状の差異を表すのに各パラメータがどれほど有効か(あるいは効果がないか)を理解しやすい。たとえば、Raでは平滑面に山が並んでいる表面と谷が並んでいる表面とを区別できないことが容易にわかる。app形式のそのようなツールが存在する。 慣習的に、線粗さパラメータはすべて大文字のRに下添え字をつけたものである。添え字は計算式の種類を表し、Rはその式が粗さ曲線に適用されたことを意味する。異なる種類の輪郭曲線に適用したなら異なる大文字記号を用いる。たとえば、Raは粗さ曲線の算術平均、Paはフィルターする前の断面曲線の算術平均、Waは断面曲線から微細な構造を除去したうねり曲線の算術平均である。 表に挙げられた式は、測定された断面曲線にフィルターをかけて粗さ曲線を抽出し、その一つの基準長さ区間について計算される。粗さ曲線の平均線はあらかじめ求められているとする。粗さ曲線上に等間隔でn個のデータ点を取り、i番目の点における平均線からの鉛直距離を高さyiとする。高さは物体から離れる向きを正と決める。
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