第三の候補
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:08 UTC 版)
「イトカワ (小惑星)」の記事における「第三の候補」の解説
イトカワが発見された当時、日本の宇宙科学研究所では、1995年8月に宇宙開発委員会で正式承認された小惑星探査機(工学実験宇宙機)はやぶさ(MUSES-C) の開発が進められていた。計画開始当初はMUSES-Cの探査対象である小惑星はネレウスとされ、打ち上げは2002年1月の予定であった。またネレウスのバックアップ天体として1989 MLが用意された。しかし探査機の設計が進む中で重量的にネレウスに向かうことが困難であることが明らかとなったため、1999年8月にはバックアップ天体の1989 MLへ目的地が変更となり、打ち上げ時期も2002年7月へと変更された。 ところが2000年2月10日、宇宙科学研究所の科学衛星用ロケットであるM-Vロケット4号機の打ち上げが失敗した。失敗原因を分析し、対策を講じていく中で、MUSES-Cは予定通りに打ち上げを行うことが不可能であることが明らかとなった。MUSES-Cの目標天体であった1989 MLは、2002年7月の機会を逃すと次回打ち上げが可能となるのが5年後の2007年となってしまう。打ち上げが大きく延期されることにより、これまでMUSES-C計画を進めていくに際してアメリカと締結していた協力関係が維持できなくなり、アメリカが独自に小惑星探査機を打ち上げる方針に転換することも考えられることから、1989 MLをMUSES-Cの目標天体とすることは困難となった。そこで改めて候補天体を検討した結果、第3の候補として1998 SF36が、2002年11月から12月ないしは2003年5月の打ち上げでMUSES-Cが到達可能な小惑星として浮上してきた。
※この「第三の候補」の解説は、「イトカワ (小惑星)」の解説の一部です。
「第三の候補」を含む「イトカワ (小惑星)」の記事については、「イトカワ (小惑星)」の概要を参照ください。
- 第三の候補のページへのリンク