第一原画・第二原画・役職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 15:51 UTC 版)
原画マンがラフに原画を描き、別の原画マンが原画としてクリーンアップすることがあり、前者を第一原画(一原)、後者を第二原画(二原)と呼ばれ、表記されることがある。 第二原画というラフ原画と動画の中間工程(セカンド)は『白蛇伝』から設けられているが、クレジット上は「動画」表記であり東映動画内の制度としてはその後自然消滅。また『機動戦士ガンダム』などにおいてもラフ原画を安彦良和が担当して「作画」「アニメーター」に渡す制作が行われていた。熟練のアニメーターがラフで多くのカットを手掛けることによって、作品全体のクオリティ向上と清書作業による新人育成に繋がるシステムとして改めて自覚的に導入され、役職の「第二原画」は明記されるようになっていく。一方でどうしてもラフ原画を描かざるをえない、非常に厳しいスケジュール下においてもこの工程が設けられている。 作画と3Dアニメが絡む場合において、ポジションや動きのガイドとしてラフ原画が描かれることがある。あるいはその逆で3Dを先に出力してそれに合わせて作画をする場合もあり、後者は3Dが動いて作画との組みが発生する場合に行われることが多い。 なお、原画マンはまず動画マンとしての下積み経験を経たあと原画マンに昇格するのが通例である。原画マンとしても経験を積めば作画監督(作監)や総作画監督へ昇格することもある。また本人の才能や、監督やプロデューサーの引き立てによってキャラクターデザイナーとなっていく人物もいるが、アニメーター全体から見れば一握りである。また演出家へと進出する原画マンも多い。副業としてイラストレーターや漫画家として活動している人物もおり、最終的にそちらを本業として活躍する例も存在する(例としていのまたむつみ、石田敦子など)。 このような作業システムは主に日本の商業アニメーション制作において慣習となっているものであり、欧米のアニメーション制作においてはまた異なった作業工程や役割分担が採られることが多い。
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