空き交番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 23:39 UTC 版)
「空き交番」とは交番の施設があるものの、警察官が不在がちな交番をいう。交番は、原則として一当務2人以上の交替制をしくことになっているが、人手不足により夜間無人となるもの、あるいは警察官は常駐するが巡回に出かけた後などに無人になるものなどがある。 警察庁生活安全局地域課の統計によると、2006年(平成18年)4月1日時点での全国の交番数は6,362か所(前年同期比93か所減)、交番勤務員は約48,700人(前年同期比約1,800人増)である。「空き交番」は全国で268か所あるが、2005年(平成17年)の統計では1,222か所であったことから、ある程度改善されていると言える。 空き交番問題は以前から指摘されていたが、特に市街地や住宅街の交番、また、過疎地の駐在所での警察官不足はいまだ解消されていない地域がある。交番所長が置かれない交番も多い。交番に勤務する警察官は毎日交番勤務についているわけではなく、各警察署各課の応援に出動することもあり(被疑者護送も地域課の任務)、交番勤務員の人手不足は治安に関係する深刻な問題である。 警察庁としては交番相談員制度を発足させ、定年退職した警察官を対象に再雇用をして交番勤務員を増やす施策も行っているが、空き交番問題や署員不足などの問題は、警察官の人数(特に地域部・地域課員。一般的な『お巡りさん』)そのものが少ないことが原因である。 警察庁は広範囲の職域を抱えている警察署員数確保のためには、全国的にあと3万人の警察官を増員する必要があるとしている。 市町村によっては、廃止した交番の建物や土地を譲り受けたり有償で借り上げたりして、地元の自治会やボランティアの力で治安の維持に努める場合もある。2007年4月、警察庁は人員増と統廃合により、空き交番の解消完了を発表した。
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