移入個体群?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/25 23:01 UTC 版)
「ムニンカケザトウムシ」の記事における「移入個体群?」の解説
2012年にフランクフルトにある温帯・熱帯植物園・ パルメンガルテン(椰子庭園)の温室で本種に極めて良く似たものが複数個体みつかり、「 Bandona sp. cf. boninensis 」として記録された。この学名表記のうち、「sp.」は「…の一種」の意、「cf.」は「…を参照」の意で、全体で「boninensis(ムニンカケザトウムシ)を参照すべきBandona(ムニンカケザトウムシ属)の1種」という意味になるが、よりわかりやすく言うと「ムニンカケザトウムシかと思われるが、詳細な検討がなされるまで種名の確定は保留しておく」との意である。生息環境の状況から明らかに移入個体群であると見なされている。 一方、1997年にセーシェル諸島のシルエット島(シウエット島)、ラ・パスのダウバン湿地付近(Dauban marsh, La Passe. Silhouette)でも似た種が1個体採取されており、こちらはバルセロナ大学のMaria Rambla博士によって他方の1種 Bandona palpalis Roever, 1927 に同定された。しかし博士はその際の私信で、ムニンカケザトウムシと Bandona palpalis とはおそらく同種であろうと述べたという。もしこの見立てが正しいなら、ムニンカケザトウムシ属の既知種は B. palpalis ただ1種となり、分布域も小笠原、雲南省、タイ、セーシェルまでの広い範囲にまたがることになる。さらにフランクフルトの植物園の移入個体群も同一種である可能性が非常に高まり、セーシェルのものも移入の可能性があることから、本種は物資や植物等に付随して移動定着しやすい種ということになり、小笠原の個体群についてもその可能性があることは上記のとおりである。
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